ニュース速報
ワールド

OPECプラスが生産量据え置きを決定、27年以降の評価の仕組みを承認

2025年12月01日(月)09時29分

写真は石油輸出国機構(OPEC)のロゴが入ったドラム缶。2024年11月、アゼルバイジャンのバクーで撮影。 REUTERS/Maxim Shemetov

Ahmad Ghaddar Alex Lawler Olesya Astakhova

[ロンドン/モスクワ 30日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は11月30日の会合で、2026年第1・四半期に原油生産量を据え置くことで合意した。同時に、OPECプラスが27年以降に原油の生産基準値を設定するため、構成国の最大生産能力を評価する仕組みを承認したことも発表された。この基準値に基づき、各加盟国は生産目標を定めることになる。

原油の供給過剰懸念が高まる中、世界の原油生産量の約半分を占めるOPECプラスは世界市場でのシェア回復に向けた動きを鈍化させている。

戦闘を繰り広げているロシアとウクライナの和平合意を米国が仲介している中で、もしも合意が実現すればOPECプラスに加わっているロシアへの制裁が緩和され、原油供給が増える可能性がある。一方、失敗した場合にはロシアへの制裁が強化され、供給が一段と抑制される可能性がある。

北海ブレント原油先物価格は11月28日に1バレル当たり63ドル弱で取引を終え、今年に入ってから15%下落した。

元OPEC職員でリスタッド・エナジーの地政学分析の責任者を務めるホルヘ・レオン氏は、OPECの判断について「市場の見通しが急速に悪化している状況では、安定性が野心を上回るというメッセージが明確だった」との見解を示した。

OPECプラスは日量324万バレル程度の減産を続けており、これは世界需要の約3%に相当する。これは26年末まで続けられる大半の加盟国による日量200万バレルの減産と、加盟する有志8カ国が今年10月以降に増産ペースを減速させたことによる日量124万バレルの減産で構成されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

法人企業統計、7─9月期設備投資は前年比2.9%増

ビジネス

ハセットNEC委員長、次期FRB議長に指名なら「喜

ワールド

英財務相、予算案巡り誤解招いたとの批判退ける 野党

ワールド

トランプ氏、ホンジュラス前大統領を恩赦へ 麻薬密売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中