中国の銅生産能力抑制策、業界関係者から不十分との指摘相次ぐ
中国政府は26日、銅の生産能力過剰に対応するため、銅精錬能力を新たに200万トン拡大する計画を一時停止したと発表した。コイル状の銅ロッドの資料写真。江西省カン州で8月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
Amy Lv Lewis Jackson Dylan Duan
[上海 27日 ロイター] - 中国政府は26日、銅の生産能力過剰に対応するため、銅精錬能力を新たに200万トン拡大する計画を一時停止したと発表した。しかし業界関係者からは、世界最大の精製銅生産国である中国が生産抑制のための追加的な措置を講じない限り、銅市場での効果は期待できないとの指摘が相次いだ。
ロイターが上海で今週開催中の「世界銅カンファレンス・アジア」で取材したところ、アナリスト8人とトレーダー3人が、銅業界は既に建設中のプロジェクトの完成が見込まれるため、中国の今回の政策が市場に対して即座に影響することはなさそうだとの見解を示した。
BMOキャピタル・マーケッツのコモディティアナリスト、ヘレン・エイモス氏は「中国による今回の決定で今後数年間に何かが変わるとは思えない。というのも、今まさに新たな製錬施設が次々と稼働し始めているからだ」と述べた。
匿名を条件に取材に応じた中国人アナリストは、今回の発表は具体的なプロジェクトに一切言及しておらず、200万トンという数字がどのように算出されたのかなど、疑問がさらに増えただけだと述べた。
一方で業界関係者は、今回の決定が強制的な能力削減や生産上限といった、さらに踏み込んだ措置を検討している、あるいは計画していることを示すシグナルであるならば、影響はより大きくなり得るとも述べた。





