英スペクトリス、米ＫＫＲの買収案に同意 提示額引き上げ

　８月５日、英国の精密計測機器メーカー、スペクトリスは、米プライベートエクイティ（ＰＥ）大手ＫＫＲによる買収案に同意したと発表した。写真はニューヨーク証券取引所の取引フロアに表示されたＫＫＲのロゴ。 ２０１８年８月、ニューヨークで撮影（２０２５年　ロイター/Brendan McDermid）

[ロンドン ５日 ロイター] - 英国の精密計測機器メーカー、スペクトリスは５日、米プライベートエクイティ（ＰＥ）大手ＫＫＲによる買収案に同意したと発表した。ＫＫＲが提示額を引き上げた。

評価額は負債を含め４８億ポンド（約６４億ドル）。これを受け、先に合意していたライバルの米ＰＥ大手アドベントによる買収案への支持を撤回した。

スペクトリスは、ＫＫＲが提示した１株当たり４１．７５ポンドでの買収案に同意。わずか４日前にはアドベントによる１株当たり４１ポンドの買収案を支持していた。

スペクトリスの株価は取引開始直後に１．４％上昇した。

ＫＫＲとアドベントは１カ月以上にわたってスペクトリスの買収合戦を繰り広げていた。

英国では、株価が割安との見方や相対的な安定性を背景に海外勢による企業買収が相次いでいる。ディールロジックのデータによると、今年１─７月のＭ＆Ａ（合併・買収）取引総額は２兆６０００億ドルと、この期間としては、２０２１年のコロナ禍のピーク以来最高となっている。