米新車の売れ筋が上級グレードから基本グレードに移行、メーカーも対応急ぐ
写真はフォード・モーターのロゴ。2025年4月、米ニューヨーク国際自動車ショーで撮影。REUTERS/Shannon Stapleton
Nathan Gomes
[12日 ロイター] - 米国では生活費高騰を背景に新車の売れ筋が、豪華装備を搭載した上級グレードから最低限の装備にとどまる基本グレードに移行しつつあり、各メーカーもそうした流れへの対応を急いでいる。
車種別で見ると、販売価格自体が相対的に高いピックアップトラックやクロスオーバー車が相変わらず人気だ。しかしコックス・オートモーティブによると、過去1年弱の平均取引価格は5万ドル前後で、多くの上級グレードは「高嶺の花」となっている実情が浮かび上がる。
この原因は、所得格差が広がり、特に所得が比較的低い消費者にとって住居や保険、医療などの費用が跳ね上がっていことにある。
オートフォーキャスト・ソリューションズのバイスプレジデント、サム・フィオラニ氏は「10年間車を保有し続けたいなら、自分が使う最低限のオプションに絞るべきではないか。単に通勤するだけなら、最もパワフルなエンジンは必要がない」と述べた。
上級グレードから基本グレードへの需要移行は、メーカーにとって必ずしも悪い話ではない。基本グレードの方が生産コストは低く、生産時間も短縮されるからだ。
また利益率は確かに上級グレードを下回るが、販売数量を増やすことで収益を支えられる。
実際フォード・モーターは1月の米国における販売台数全体こそ減少したが、小型車「マーベリック」の基本グレードの納車台数は33.5%増加した。
ホンダも1月に基本グレード重視に転換すると表明している。
モーニングスターの自動車アナリスト、デービッド・ホイットソン氏は、メーカーにとって「アフォーダビリティー(手頃感)」が引き続き関心事項で、ホンダやゼネラル・モーターズ(GM)などは低価格車種へのてこ入れを強めていると指摘した。
トヨタ自動車の場合も「カローラ」「カムリ」といった手頃な価格帯の主力車に対する1月の需要が相当高まった半面、高級車「レクサス」の販売は落ち込んだ。
ステランティスはロイターに、過去2年間で価格の手頃感を強化するために複数回の値下げを実施し、「ジープ」のSUV(スポーツタイプ多目的車)の最低価格をより低く設定するなどの対応を行ったと明かした。
カーエッジ提供のデータに基づいてロイターが計算したところ、複数の人気車の最上級グレードと最低グレードの平均的な価格差は約5000ドルとなっている。
現在は最も基本的なモデルであっても、大半の消費者にとっては十分なインフォテインメントシステムや運転支援機能などを備えているという面もある。
フィオラニ氏は「今は基本グレードでさえ比較的装備が整っている。手動トランスミッション、手動巻き上げ窓、ビニールシートといったかつての基本グレードの特徴を見つけるのはもはや難しい」と述べた。





