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日経5万円割れ、AI株中心に急上昇の反動 ドル一時152円台に下落=東京市場

2025年11月05日(水)12時15分

アドバンテストのロゴは、2024年6月4日に東京で撮影された。ロイター/サム・ナッセイ

Hiroko Hamada

[東京 5日 ロイター] - 5日の東京市場では、日経平均が一時2423円安の4万9073円58銭まで下落、節目の5万円を割り込んだ。前日の米国株安の流れを引き継ぎ、AI(人工知能)関連銘柄を中心にこれまでの急ピッチな上昇の反動で調整色が強まっている。リスクオフの流れを受け、為替相場でもドル売り/円買いの動きが強まり、ドルは一時152円台へ下落。国内金利は低下した。

<売り場探し>

この日の株安について「米金融大手の最高経営責任者(CEO)が、株式市場が調整局面に向かう可能性があると警告したと伝わったことがきっかけだろう」と大和証券のチーフストラテジスト・坪井裕豪氏は指摘する。マーケット全体に割高感への意識がある中で、投資家が売り場を探していたという。

特に、足元で上昇スピードが速かったAI・半導体関連を中心に利益確定売りが広がり、指数寄与度の高いソフトバンクグループが14%超安、アドバンテストが9%超下落。2銘柄で日経平均を1246円ほど押し下げた。プライム市場では9割超の銘柄が値下がりし、全体的に売りが広がっている。

為替相場では、日経平均の下げ幅拡大を受けたリスク回避の動きから、ドルが一時10月30日以来となる152円台に下落する場面があった。債券市場でも、米金利低下や日本株の急落を受けて国債先物が反発。現物市場で新発10年国債利回り(長期金利)が前営業日比1.5bp低下の1.655%となった。

<健全な調整か>

株価は大幅安となったが、三菱UFJeスマート証券のチーフストラテジスト、河合達憲氏氏は「これまでの過熱感を払しょくする健全な調整で、過度に警戒する必要はないのではないか」とみる。日米ともに株価が史上最高値を更新し、これまでの上昇スピードが速かった分、「調整の幅が大きくなるのは仕方がない」(河合氏)と話す。

企業決算からはAI需要の堅調さは確認されているとして「一時的な過熱感払しょくされれば、(株価は)業績に見合った動きになるのではないか」(野村証券のエクイティ・マーケット・ストラテジスト、澤田麻希氏)との声も聞かれる。

テクニカル面では、25日移動平均線が位置する4万8400円台が下値メドとして意識されやすいという。

金利市場でも「株価の下落が調整程度にとどまれば、日銀の利上げ観測が後退するほどの円金利低下幅にはならないのではないか」(関西みらい銀行のストラテジスト、石田武氏)との声が出ている。

ロイター
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