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ノボノルディスクとファイザー、米メッツェラ巡り買収合戦

2025年10月31日(金)12時58分

 デンマーク製薬大手ノボノルディスクは、肥満症治療薬を手がける米バイオ企業メッツェラに買収を提案した。写真はノボノルディスクのロゴ。8月5日、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Jacob Gronholt-Pedersen Louise Rasmussen Maggie Fick

[コペンハーゲン 30日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクは、肥満症治療薬を手がける米バイオ企業メッツェラに買収を提案した。メッツェラは既に米同業ファイザーからの買収案に合意しており、買収合戦となった。

ノボノルディスクとファイザーには、メッツェラ買収によって収益性の高い肥満症薬市場で優位に立ちたい思惑がある。

ノボノルディスクは最大85億ドルを提示。これには60億ドルの契約一時金(アップフロント)と、マイルストーン達成に応じた支払いが含まれる。ファイザーの提示額はマイルストーン支払いを含めて73億ドルだった。

メッツェラは声明で、ノボノルディスクの提案の方が「優れている」と評価し、ファイザーに通知したことを明らかにした。ファイザーには交渉期間が4営業日残っている。ノボノルディスクの提案は、メッツェラを同社株1株当たり最大77.75ドル、総額約90億ドルと評価したという。

ファイザーは、ノボノルディスクは以前にもメッツェラに買収を提案して拒否されていると指摘。ノボの今回の提案は「無謀」で、肥満症治療薬市場の競争に悪影響を与えると危惧を示し、買収におけるファイザーの権利を守るために「あらゆる法的手段を模索する」と述べた。

ノボノルディスクはロイターに対し、同社の現在の提案はファイザーの提案をはるかに上回っているとし、米国投資への深い関与を強調。「当社はファイザー(とメッツェラ)の合併契約に基づく全ての制限事項を厳守しており、事実と法律は当社側についていると確信している」と表明した。

ロイター
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