通商問題が穏当推移なら「利上げ再開」と複数委員=日銀6月会合要旨

8月5日、日銀が6月16―17日に開いた金融政策決定会合では、利上げの再開を意識した発言が多くの委員から出ていたことが明らかになった。日銀本店で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 5日 ロイター] - 日銀が6月16―17日に開いた金融政策決定会合では、利上げの再開を意識した発言が多くの委員から出ていたことが明らかになった。複数の委員が、堅調な賃金や若干上振れ気味の物価を念頭に置けば「通商問題が穏当なかたちで推移する見通しになってくれば、現在の様子見モードから脱却し、利上げプロセスの再開を考えることになる」との見方を示していた。
日銀が5日、決定会合の議事要旨を公表した。日銀は6月の決定会合で、全員一致で政策金利の据え置きを決めた。
決定会合では、不確実性の高さを踏まえれば当面は利上げを休止する局面だが「米国の政策動向によって、再び利上げ局面へ回帰する柔軟かつ機動的な対応も求められる」(1人の委員)といった声も出された。ある委員は、インフレが想定対比上振れて推移する中で「たとえ不確実性が高い状況にあっても、金融緩和度合いの調整を果断に進めるべき局面もあり得る」と述べた。