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インタビュー:日本の資産運用、顧客細分化の視点が必要=アセマネOne社長

2017年06月06日(火)19時46分

 6月6日、資産運用大手「アセットマネジメントOne」の西恵正社長は6日、ロイターとのインタビューで、日本の資産運用ビジネスの現場では顧客セグメンテーション(細分化)の視点が欠けていると指摘し、顧客層に応じた商品を提供することが「貯蓄から資産形成へ」実現のカギになるとの見解を語った(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - みずほフィナンシャル・グループ<8411.T>と第一生命保険<8750.T>系列の運用部門が統合した資産運用大手「アセットマネジメントOne」の西恵正社長は6日、ロイターとのインタビューで、日本の資産運用ビジネスの現場では顧客セグメンテーション(細分化)の視点が欠けていると指摘し、顧客層に応じた商品を提供することが「貯蓄から資産形成へ」実現のカギになるとの見解を語った。

同社は、DIAMアセットマネジメント、みずほ投信投資顧問、新光投信、みずほ信託銀行の運用部門が統合して昨年10月に発足。今年3月末時点の運用資産残高(AUM)は約53兆円で、アジア最大の資産運用会社。

概要は以下の通り。

──アセマネOneの船出から8カ月。  「昨年4社が合併して新会社を作った際、日本の資産運用業界が今後成長するとの考えのもと、その過程で目指す運用会社の姿としてAUM100兆円という数値目標を掲げた」

「資産運用業界では今、米国の運用会社が世界のトップ15社のうち13社を占めるなど、世界を席巻しているが、それは米国の資産運用業界が成長したから。1987年のブラックマンデー当時のダウ平均は1700ドル、それが足元で2万1000ドル。日経平均は当時2万1000円で今2万円。米資産運用会社は、30年で15倍近く伸びた業界の発展をベースに大きくなってきた」

「そして今、ブラックロックやバンガードといった米系大手が日本に入ってきた。ブティック型ではない、総合型の運用会社として彼らと競合するには、100兆円位の規模が最低条件になると思う」

「英国では(3月に)スタンダードライフがアバディーン・アセット・マネジメントを合併すると発表したが、CEOはコストメリットを追求し世界クラスの投資会社を目指すと言っていた。同社も経営統合後のAUMが90兆円強。私が昨年AUM100兆円を目指すと言った時には本気度を疑う声もあったが、今はない」

──達成時期のめどは。

「100兆円はグローバルに生き残るためにはその位の規模が必要だろうという象徴的なもの。必ず100兆にして国内首位を堅持するというのではなく、100兆円を目指す企業を作るという意味。10年は1つのメドかもしれないが、いつまでというわけでも、私が社長の間にというわけでもない」

「むしろ1番になりたいのは、フィデューシャリー(FD、顧客本位の業務運営)の観点。4つの会社が合併したわれわれには、従業員全員の腑に落ち、働く目標にできる共通の価値観が必要だからだ。顧客の利益のため顧客目線で運用できる運用会社、というのは合併会社の求心力となっている」

──折しも、金融庁も金融機関にFDの徹底を求めている。

「金融庁が言う通り資産形成は大切で、20─40代の資産形成層に必要なのは、長期資産形成に適した低手数料でリスクがプレーンな、パッシブ・インデックス系商品。ただ、これら商品はもうできており、あとは販売会社にどうレクチャーするかだ。当社は直接お客様に販売はしないが、ゼミナールOneという販売会社向けの研修サービスを開始した」

「一方、個人の金融資産1800兆円を年齢別に分解すると、実は1400兆円位を50歳以上の人々が持っている。彼らには、むしろリスクをコントロールして安定した収益を目指すコア型ファンドが必要」

──投資信託の売れ行きにも影響が出ているが。

「毎月分配型(投信)を、分配率を正常化するためどんどん落としているので、確かに影響はある。本来は分配率を変えても、毎月分配の経済的意味を正しく理解していれば関係ないはずだが、分配率を変えてこれだけ販売が落ちるのは、やはり理解が100%でなかったということ。前線で営業している人にとっては厳しいが、これは直していかないといけない。今は正常化のうねりが来ている」

「毎月分配ものは、ある程度は年配の顧客に必要な商品だと思う。当社コールセンターにも、仕組みを理解した人からもニーズが寄せられている。ただし分配率が高過ぎるのはおかしいので、分配率の正常化自体はこれからも続けることになる」

「日本では、それを誰に売るのか、という顧客セグメンテーション(細分化)の議論が海外と比べて少ないと感じる。売り方が悪いのではなく、顧客層のカテゴリーづけができていなかった側面があるのでは」

「金融庁が言うこともわかるが、資産形成層、マス層、富裕層を一緒にするとわかりにくくなる。資産形成層にはiDeCo(イデコ)やNISAがいいとか、富裕層の中にはテーマ型をやりたい人もいるとか、顧客層によってはどちらも正しい。セグメンテーションが合わないと、投信不振が何年か続く恐れもある」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

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