ニュース速報

ビジネス

米FRBの想定利上げペース、速過ぎる公算=セントルイス連銀総裁

2017年05月20日(土)03時06分

 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米経済には足元で弱含みの兆候が出ているとし、FRBが見込む利上げペースは速すぎる可能性があるとの認識を示した。写真は昨年5月撮影。(2017年 ロイター/Edgar Su)

[セントルイス 19日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は19日、最近軟調な兆候を示す経済にとっては、米連邦準備理事会(FRB)が想定する利上げペースは速過ぎる可能性があるとの認識を示した。総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。

総裁は、最近の政治動向を踏まえ、自身の経済見通しに変わりはないものの、同時にインフレ率は弱まっているほか長期国債利回りは低下しており、そうした状況は利上げを継続すべきというFRBの信条に反するようにおもえると指摘。

その上で「インフレ指標は弱く、低下しており、FRBが目指すインフレ目標からは低過ぎる。インフレ指標は誤った方向に進んでおり、快適さという点でやや行き過ぎている」と述べた。

FRBは来月のFOMCで追加利上げを行うとみられているが、総裁は、そうした動きに反対はしないものの、インフレの戻りが明確となるまでは、いかなる利上げも「過度に積極的」な対応になりかねないと感じているとした。

トランプ政権を巡る混乱による経済への目立った影響は確認されていないとしつつも、市場は今後も政治的な変動の継続に備えるべきとの見解を示した。

総裁は、政府・議会での主要政策課題のこう着はほぼ当たり前となっているため、さまざまなイベントによって主要政策の決定が引き続き妨げられたとしても、現在の見通しが変更することはないとした。

「トランプ選挙運動は異例で、型破りな大統領が誕生することは想定されていた。政策に関しても、通常より不安定な展開となるだろう」としつつも、少なくとも2017年については、こうした状況が見通しに影響を及ぼすことは想定していないと語った。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、英と「画期的な」貿易協定で合意 関税交渉で初 

ビジネス

米卸売在庫3月は0.4%増、小幅下方改定

ワールド

ロシアとウクライナ、相互に非難 停戦発効後も攻撃継

ビジネス

貿易戦争の長期化、カナダ経済と金融安定性への脅威=
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 8
    日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブ…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中