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香港のビットコイン取引所で盗難、被害額7200万ドル 相場急落

8月3日、香港に本拠を置く仮想通貨ビットコイン取引所ビットフィネックスは、顧客の口座から11万9756ビットコイン(盗難時の時価で7200万米ドル相当)が盗まれたことを明らかにした。盗難発覚を受けビットフィネックスは2日に取引を停止している。写真は2015年5月、パリのLa Maison du Bitcoinで撮影(2016年 ロイター/Benoit Tessier)
[香港/ニューヨーク 3日 ロイター] - 香港に本拠を置く仮想通貨ビットコイン取引所、ビットフィネックスは3日、顧客の口座から11万9756ビットコイン(盗難時の時価で7200万米ドル相当)が盗まれたことを明らかにした。盗難発覚を受けビットフィネックスは2日に取引を停止。同社のウェブサイトには当局に協力しながら調査を進めているとのメッセージが掲載されている。
ビットフィネックスは「サービス再開のため、全ての引き出し、オープン注文、オープンファンディングのオファーは取り消される」と説明。「さらに、損失を計算するため、ファイナンスされた全てのポジションは決済される」とした。
ビットフィネックスはドル建てで取引できるビットコイン取引所として世界最大。今回被害に遭ったビットコインは現在流通しているビットコイン全体の約0.75%にあたり、被害額としては過去2番目に多い。
盗難発覚を受け2日の取引でビットコインは約23%下落。3日のビットスタンプ取引プラットフォーム
ビットフィネックスは盗難について当局に報告した上で、ビットコインを含む仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーン技術を専門とする企業に協力を求め、盗難の経緯を調査しているとしている。ただ被害にあった顧客への損失補てんの方法などについてはまだ決定していないとしている。
ビットフィネックスはまた、現時点では外部から不正アクセスがあったのか、内部の犯行だったのかは不明としている。また、今回の盗難はブロックチェーン技術のぜい弱性によるものではないとの見方も表明。ただビットコインの専門家は「安全性が非常に高く、かつ便利なシステムの構築にはまだ時間がかかる」とし、リスクについて警告している。
ビットフィネックスに対しては2カ月前に米商品先物取引委員会(CFTC)がビットコインを含む仮想通貨をめぐる違法な取引を提供したなどとして、7万5000ドルの罰金の支払いを命じている。
ビットコインをめぐっては東京に本拠を置いていたMt.Gox(マウント・ゴックス)(東京)が約5億ドル相当の盗難に遭い、2014年に経営破たんに追い込まれている。
*内容を追加します。