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ヒト以外の哺乳類にも、妊娠期間中に「つわりに似た変化」が生じることが明らかに メカニズム解明で期待できること
つわりは、ホルモンの種類や量が急激に変化することが主な原因と考えられていますが、詳細はまだ明らかになっていません。ビタミン類の不足や血糖の変化も関わっている可能性も示唆されています。そのため、つわりのような症状がみられる動物を見つけて集団を観察すれば、発生メカニズムやつわりを起こしやすい個体の特徴の解明に役立ち、ヒトへの応用も期待できます。
これまでもイヌやアカゲザルにおいて、妊娠初期につわりのような症状は報告されたことがありました。けれど、イヌの例では摂食量の減少や嘔吐が見られたり、アカゲザルでは摂食拒否の頻度の増加が観察されたりしたものの、その個体に固有の変化だったり単発の現象だったりする可能性が否定できませんでした。
動物モデルによって「つわりに似た症状の研究」をするためには、集団に体系的な科学的調査を行い、この変化はヒトの妊娠の特定の段階に対応するのか、体重減少等のより重篤な症状へと進行するのかなどを調べる必要があります。
体重、摂食量、運動量などをモニタリング
今回、研究グループは広く用いられている実験動物である小型霊長類のコモンマーモセット(マーモセット)とげっ歯類のマウスで、妊娠に関連した代謝と行動の変化を体系的に調査しました。つわりでよく見られる「吐き気」や「嘔吐」を直接評価することは困難であるため、代わりに体重、摂食量、運動量などをモニタリングしました。
マーモセットについては、2つの異なる研究室(K研究室:母体6匹、妊娠27回、N研究室:母体14匹、妊娠88回)の妊娠個体の体重を、分娩前150~1日まで収集しました。
体重変化についてクラスター分析すると、多くの妊娠では妊娠経過に伴い体重が増加する一方で、約22%の妊娠において胎盤形成期に一時的な体重減少が認められました。これは、ヒトでつわりが見られる胎盤形成期と同時期にマーモセットでも体重が減少する個体が一定数見られた、ということです。
さらに、複数回妊娠したマーモセットについて分析すると、何度も体重減少を繰り返す個体と、滅多に体重減少を起こさない個体に分かれました。つまり、体重減少の起こしやすさには個体によってバリエーションが見られました。
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