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ウクライナ戦争

100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口なき戦争で疲弊するロシアの危うい継戦能力

PUTIN’S SECRET MELANCHOLY

2026年2月19日(木)11時28分
サム・ポトリッキオ (本誌コラムニスト、米ジョージタウン大学教授、元ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授)

モスクワでチェチェン共和国のカディロフと会談するプーチン(昨年5月)

モスクワでチェチェン共和国のカディロフと会談するプーチン(昨年5月) ALEXANDER KAZAKOVーPOOLーSPUTNIKーREUTERS

首都圏と周縁部の格差

ソ連という国家の崩壊が、90年代に「アフガン症候群」を深刻化させたのは事実だが、国内には別の問題もあった。当時の戦死者や傷病兵の大半は首都モスクワの出身者ではなく、少数民族系の共和国出身者だったという事実だ。

例えばブリヤート共和国。私が長く教壇に立っていた国だが、住民の多くはモンゴル系の少数民族だ。ある調査によると、彼らが戦場で命を落とす確率はモスクワ出身者の75倍だったという。一般論としても、非スラブ系民族の兵士が死傷する確率はスラブ系の兵士に比べてはるかに高い。住民の徴兵率も、チェチェンやダゲスタンといったイスラム系共和国ではモスクワ首都圏を大きく上回っている。


数年前、かつての教え子に、簡単に勝てるはずだった戦争で多くのロシア兵が死んでいる現状をどう思うかと聞いたことがある。すると彼は、今のロシアではイスラム教徒の人口が増えすぎているから、戦争で間引きされるのも悪くないと、平然と言ってのけた。

しかし、こうした周縁部の共和国でも、さすがに死傷者が増えすぎれば政情が不安定化する。プーチンはかつて、チェチェン国内の独立派を容赦なく弾圧して自らの政権基盤を固めた。その一方で、モスクワに忠誠を誓う武装勢力の指導者ラムザン・カディロフをチェチェンのトップに据えた。

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