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小麦輸出「世界1位vs世界5位」の戦争が招く、世界規模の「食糧パニック」

2022年3月16日(水)18時00分
ローラ・コーパー
ウクライナ小麦農場

ウクライナは世界5位の小麦輸出国 VALENTYN OGIRENKOーREUTERS

<ともに世界最大級の小麦輸出国であるロシアとウクライナの軍事衝突により、国際的な小麦供給に大きな影響が出始めている>

ロシアは世界1位、ウクライナは世界5位の小麦輸出国だ。その両国の軍事衝突が激化するなか、世界の小麦市場を震撼させる発表が相次いだ。

ウクライナ政府は3月8日、ロシアの侵攻による国内の食糧危機に備えるために、小麦やオート麦などの国外輸出を禁止すると発表した。この決定は、ウクライナ産小麦のおよそ半分を黒海経由で輸入してきたMENA(中東および北アフリカ)諸国にとりわけ深刻な打撃を及ぼすだろう。

中国の小麦の減産も、不安定な供給事情に追い打ちをかける恐れがある。唐仁健(タン・レンチエン)農業農村相は3月5日、この冬の中国国内の小麦生産が「史上最悪」レベルだった可能性があると語った。

中国は大規模な小麦輸出国ではないものの、国内での消費量が極めて多い。そのため中国が輸入を増やそうとすれば、世界的な小麦価格の高騰につながりかねない。また、農作物の輸送には原油などの燃料が欠かせないため、既に急騰している燃料価格のさらなる高騰も懸念されている。

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