ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、今後選挙を実施しないと表明した。ニカラグア政府による反対意見や反対派への長年にわたる弾圧は、人権団体から非難されていたが、馬耳東風だったようだ。
ニカラグアは民主主義からさらに遠ざかることになる。
オルテガは1979年のサンディニスタ革命で、アメリカの支援を受けていた独裁者アナスタシオ・ソモサの打倒に貢献。1985~1990年にニカラグア大統領を務めた。その後、2007年に再び大統領に就き、20年間にわたり権力を握ってきた。
2021年の選挙を前に、オルテガ政権は政府批判者、大統領候補、反対派の人物を拘束し、検察が起訴せずに最長90日間、身柄を拘束できるよう法律を改正するなど、近年は妻のロサリオ・ムリージョと共に権威主義的な傾向を強めている。
オルテガは7月19日、アメリカの支援を受ける政党や、1979年までニカラグアを支配していたソモサ一族の支持者が政権に復帰することは「二度とない」と述べた。
米国務省はオルテガとムリージョを「独裁者」と呼び、政権の複数の高官に制裁を科した。
人権団体は、ニカラグア政府が2018年に指導部に対する全国的な抗議活動を暴力的に鎮圧した後、オルテガとムリージョによる人権侵害を非難した。米州人権委員会によると、同年4月から7月までの間に、主にデモ参加者が少なくとも355人が死亡した。
国連人権理事会も動いている。オルテガとムリージョが統治するニカラグアを、人権を顧みない「権威主義国家」とした。これを受け、オルテガとムリージョは2025年2月、ニカラグアを同理事会から脱退させた。
このように急速に強権化を進めるオルテガは、今や世界の名だたる独裁者と肩を並べる存在になりつつある。
次頁からは、ニカラグアのオルテガ政権を世界各地の独裁者と比較していく。