最新記事

アメリカ政治

トランプにうんざりの共和党員が大量離党 右傾化に拍車か

2021年2月23日(火)09時59分

議会襲撃が「最後の一撃」

ロイターが先の3州で40人弱の離党者を取材したところ、彼らの多くはトランプ氏の存在をその理由に挙げた。議会襲撃はもとより、その前から大統領選の不正を言い立てるトランプ氏を共和党議員が支持し続けてきた点も同党への反発をかきたてる一因となった。

弁護士を引退しフロリダ州ナッソー郡のジャクソンビル近郊に住むダイアナ・ヘプナー氏(76)は財政保守派を自認する共和党員だったが、トランプ氏の言動にうんざりしたと話す。

トランプ氏が持ち込んださまざまな要素を共和党は克服できると考え、何とか党員として踏ん張っていたが、1月6日の議会襲撃が離党を決める「最後の一撃」になったと説明した。代わって民主党員になったヘプナー氏は、今後の民主党の予備選挙に自分が中道主義者として影響を与えられたらいいと望んでいる。

ヘプナー氏が暮らすフロリダ州では、昨年12月半ばから今年2月半ばまでに、およそ4万人が共和党を離れた。依然として500万人強に上る同州の党員総数に比べれば微々たるものかもしれないが、そこそこの離党者数であっても、予備選が接戦になる場面では大きな違いをもたらす。フロリダやペンシルベニアのように、共和党の予備選に投票資格を実際の党員だけに限っている州では、なおさらだ。

実際、昨年8月18日にフロリダで行われた共和党下院議員候補の予備選では、得票差1500票未満で候補指名を獲得した2人が、11月の本選でも勝利した。そのうちの1人で、トランプ氏支持を公言したバイロン・ドナルズ氏は予備選で、800票弱のわずかな差で他のトランプ氏を支持する候補者や穏健派候補者ら8人との競争を勝ち抜いた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏「ウクライナ存続は米にとって重要」、姿勢

ワールド

IMF、中東・北アフリカ成長予想を下方修正 紛争激

ビジネス

米国株式市場=ほぼ横ばい、経済指標や企業決算見極め

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米指標やFRB高官発言受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中