最新記事

トランプは終わらない

無邪気だったアメリカ人はトランプの暴挙を予想できなかった

WE CANNOT BE COMPLACENT ANYMORE

2021年1月13日(水)18時05分
マイケル・ハーシュ(フォーリン・ポリシー誌上級特派員)

もう、お分かりだろう。憲法を守るのは就任式で「憲法を守る」と宣誓した大統領の役目だが、もしも望むなら、その大統領自身が憲法を破ることもできるのだ。

メリーランド大学のマイケル・グリーンバーガー教授によれば、大統領がトランプ以外の人物であったなら、速やかに州兵が出動し、「誰も議事堂に近づけないように」していたはずだ。

こうなるとトランプは反乱教唆で訴追される恐れがあり、それを避けるために自分自身への恩赦を発令する可能性もある。

一方で2度目の弾劾裁判で罷免される可能性もあり、憲法修正25条(副大統領と閣僚の過半数が大統領は職務遂行不能だと議会に通告した場合、副大統領が職務を代行する)が発動される可能性もある。

共和党内にもトランプを見限る動きがある。上院共和党を率いるミッチ・マコネル院内総務は言ったものだ。「彼らはわが国の民主主義を妨害しようとしたが失敗した。この未遂に終わった反乱は、議会の責務がどれほど私たちの共和国のために重大であるかを思い知らせてくれた」と。

前出のグリーンバーガーも「大統領自身が反乱を扇動するのは想定外だった」と言う。その想定外のことが起きてしまった。

もう、無邪気は許されない。

From Foreign Policy Magazine

<2021年1月19日号「トランプは終わらない」特集より>

(トランプ自身、また「トランプ現象」はこれで終わりを迎えるのか――。本誌では、連邦議会占拠事件が浮き彫りにした「欠陥」、今後のアメリカに残す「爪痕」について特集を組んでいます)

ニューズウィーク日本版 ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月24号(2月17日発売)は「ウクライナ戦争4年 苦境のロシア」特集。帰還兵の暴力、止まらないインフレ。国民は疲弊し、プーチンの足元も揺らぐ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英アンドルー元王子を逮捕 エプスタイン氏巡る不正行

ビジネス

ラガルドECB総裁、職務に専念と同僚らに伝達 即時

ビジネス

アイルランドの法人税収、多国籍企業3社が約半分占め

ワールド

トルコの和平工程表承認、PKK関係者が「重要な一歩
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中