最新記事

山火事

【動画】北カリフォルニアの山火事で警官が見せた英雄的行為

Dramatic Body Cam Video Shows California Officer Rush to Evacuate People

2020年9月8日(火)17時05分
スー・キム

カリフォルニアの山火事と闘う消防士たち(9月6日) Steve Russo/via REUTERS/SUPPLIED BY A THIRD PARTY

<毎年のように続くカリフォルニアの大規模な山火事と戦っているのは消防士だけではない>

カリフォルニア州ヴァカヴィルの警察当局が公開したボディーカメラから警察官の英雄的な映像が見つかり感動を呼んでいる。ソラノ郡の町ヴァカヴィルの家を1軒1軒回り、住民に避難を促す様子だ。雷から出た火花や熱波を原因とする大規模な複合的災「ライトニング・コンプレックス・ファイアー」のさなかの行動だと、CBSサクラメントは報じている。

映像の中で、警察官がこう叫んでいるのが聞こえる。「今すぐ家を出てください。早く避難してください。(火の手は)家のすぐ裏まで迫っています。身の回りのものを持っていく時間はありません......今避難してください、さあ早く」

さらにこの警察官は、車にスーツケースを積み込む住民を手伝ったあと、すぐにパトカーに乗り込み、急いで隣の家へと向かった。この映像の撮影時に発令されていた強制避難命令を伝えるためだ。


コンプレックス・ファイアーは、ヘネシー、ウォルブリッジ、マイヤーズという3つの火災を包含する大規模な複合火災だ。カリフォルニア州森林保護防火局によると、ナパ、ソノマ、ソラノの3郡で火災の被害を受けた土地の総面積は37万5000エーカー(約1500平方キロメートル)以上に及ぶ。

煙が立ち込める屋外

この山火事により避難を余儀なくされた住民は約1万5000人にのぼり、ソラノ郡だけでも300棟以上の家屋が火災により失われたと、CBSサクラメントは報じる。

ヴァカヴィル警察は、9月6日付の公式フェイスブックページへの投稿で以下のように記した。「州全土で、火災現場から流れてくる煙が増えている。屋外では気温が上昇し、煙が立ちこめている。当然のことだが、当地域の緊急対応センターには、状況を懸念した多くの地域住民からの通報が相次いでいる」

カリフォルニア州森林保護防火局(Cal Fire)が6日に発表した最新報告によると、この複合火災による焼失面積は37万5209エーカー(約1518平方キロメートル)に達し、カリフォルニア州で起きた森林火災としては2018年に起きた「メンドシーノ・コンプレックス」に次ぐ史上2位の規模。だが幸い、そのうち91%は封じ込められたという

報道によれば、カリフォルニア州全土で、1万4800名以上の消防士が23件の大規模火災の消火にあたっている。

(翻訳:ガリレオ)

<参考記事>カリフォルニア史上最大の山火事にトランプがトンデモ発言
<参考記事>コアラ受難、オーストラリアの山火事で絶滅の危機

【話題の記事】
中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?
ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死
老化しない唯一の哺乳類、ハダカデバネズミ「発見」の意味
コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中