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中国はやはり香港人を拘束し拷問するのか──英領事館元職員の爆弾証言に怒りが再燃

Is China Detaining Hong Kong Protesters on the Mainland?

2019年11月21日(木)16時05分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌エディター)

米上院は19日、「香港人権・民主主義」法案を全会一致で可決。下院も20日に圧倒的多数で可決した。米政府は「一国二制度」を前提に、香港を中国本土と区別し、関税やビザ発給などで優遇措置をとっている。この法案は、一国二制度が守られているかどうかを検証するよう国務省に求め、守られていなければ優遇措置を打ち切るなどの制裁を科す内容で、ドナルド・トランプ大統領にとっては、議会がこれを通したのは頭の痛い問題だ。トランプが法案に署名すれば、中国政府の猛反発は避けられず、米中貿易交渉が頓挫するおそれもあるが、上院が全会一致で承認したため拒否権を発動するわけにもいかない。

中国政府は既に一国二制度を踏みにじる姿勢を見せいている。香港高等法院(高裁)は18日、デモ参加者が顔を隠すことを禁じた「覆面禁止法」は、香港の憲法に当たる「香港基本法」に違反するという判決を下した。これに対し、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は19日、この判決の有効性は認められないとの声明を発表。中国政府が香港高裁の判決を覆せば、香港の司法の独立は事実上失われることになる。

From Foreign Policy Magazine

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