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トルコ、クルド系3市長を職務停止、400人以上を拘束「クルド労働者党と関係」

2019年8月20日(火)13時16分

トルコは、非合法武装組織クルド労働者党(PKK)とつながりがあるなどとして、南東部3都市のクルド系市長の職務を一時停止するとともに、400人超を拘束した。写真は3人の市長への措置に反対する人々に水を浴びせかけるトルコ警察。ディヤルバクルで撮影(2019年 ロイター/Sertac Kayar)

トルコは19日、非合法武装組織クルド労働者党(PKK)とつながりがあるなどとして、南東部3都市のクルド系市長の職務を一時停止するとともに、400人超を拘束した。内務省が発表した。クルド人住民の多い同地域で緊張が高まる可能性が高い。

3市長の代行には政府当局者を据える。

内務省は、約2300人の部隊を投じて南東部でPKKの武装勢力に対抗する作戦に乗り出したとことも明らかにした。

職務を停止されたのはディヤルバクル、マルディン、ワンの3市長。内務省は、3市長はテロ組織への参加やテロ組織のプロパガンダ拡散などさまざまな罪を犯した疑いがあるとしている。

内務省は、PKKとのつながりが疑われる人をターゲットとした捜査により警察が29県で418人を拘束したことも明らかにした。

3市長が所属するクルド系政党、国民民主主義党(HDP)は「明らかな政治的クーデターだ。クルド人の政治的意思に対する明らかな敵対的態度だ」と非難する声明を発表した。

HDPはまた、3市長は3月の選挙で53─63%の票を獲得して当選していたと指摘。「これはHDPやクルド人だけでなく、すべてのトルコ国民やあらゆる民主主義勢力に共通の問題だ」として、他の政党に支持を求めた。

[ディヤルバクル(トルコ) ロイター]


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