最新記事

中間選挙

米中間選挙、共和党vs民主党「州レベルの攻防戦」巡る4つの注目点

2018年11月6日(火)20時05分

6日投票の米中間選挙は民主、共和両党が政治的な発言力を高めようと州レベルで激しい攻防を繰り広げている。写真はコロンビアで1日、選挙集会でのトランプ大統領の手(2018年 ロイター/Carlos Barria)

6日投票の米中間選挙は民主、共和両党が政治的な発言力を高めようと州レベルで激しい攻防を繰り広げている。

2016年の大統領選で衝撃的な敗北を喫した民主党は、州での闘いを党勢立て直しの柱と位置付けており、過去30年余りで最大数の候補者を立てた。一方、33州の知事と州議会の3分の2を握る共和党は州政府での優位を維持しようとしている。

両党ともヘルスケアや銃規制、中絶権など国政レベルの課題を巡る議論を進める上で、州の法律や行政執行は重要との認識を強めている。

州における闘いが米国の今後の政治をどう左右するのか、4つの視点から展望する。

●選挙区の見直し

2020年の国勢調査後に選挙区の見直しが行われるが、ほとんどの州では政治権力を握った党が見直しの主導権を握る。民主党はオバマ政権下での敗北が響き、2010年の国勢調査後の選挙区見直しで共和党が自党に有利な線引きを進めるのを許してしまった。

今回は36州で州知事選が行われ、一部の主要州は知事が選挙区の区割りに対して拒否権を持つ。

民主党は選挙区見直し作業で影響力を手に入れるため、フロリダ、ミシガン、ネバダ、オハイオの各州で州知事の座を確保しようと狙っており、共和党のウィスコンシン州知事、スコット・ウォーカー氏は3選が危ぶまれている。

一方の共和党も投票日が近付くにつれて多くの州で攻勢を強めているようだ。

●ダイバーシティー(多様性)

ジョージア州でステーシー・エイブラムス氏が米国初の黒人女性州知事に就くかどうかは、共和党の地盤において民主党が多様な顔ぶれの候補者を推したてる戦術で勝利できるかを占う試金石となる。エイブラムス氏の立候補でマイノリティーや若者の投票率が高まる可能性がある一方、こうした有権者層は民主党を支持する傾向を持ちながら、大統領選以外の選挙では動向が読めない面が残る。

フロリダ州では同州で初めての黒人知事を目指してアンドルー・ギラム氏(民主党)も立候補している。

エイブラムス氏とギラム氏は、共和党の対立候補がいずれも白人の男性で、トランプ氏からの支持を受けている。

また女性候補者数は過去最大で、そのほとんどが民主党だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、4.4万件増の23.6万件 季

ビジネス

中国経済運営は積極財政維持、中央経済工作会議 国内

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利を維持 米関税引き下げで経済見

ビジネス

EU理事会と欧州議会、外国直接投資の審査規則で暫定
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中