最新記事

フランス

仏大統領「夫人」は浮気されてもファーストレディーか

浮気ショックで入院したオランド仏大統領の事実婚夫人の地位が真っ先に論争の的になるわけ

2014年1月15日(水)15時23分
パラシュ・ゴシュ

不人気 妻でもないトリエルベレールの暮らしを税金で賄い続けることに不満 Reuters

 オランドの事実婚パートナーである女優バレリー・トリルベレールは今なおフランスの「ファーストレディー」か。大統領府の記者会見で飛び出した質問に、経済や国際問題には饒舌なフランソワ・オランド仏大統領も口をつぐんだ。

 ゴシップ誌「クローザー」は先週、オランドが映画女優ジュリー・ガイエと性的関係を持っているとの衝撃的な記事を掲載し、トリルベレールは「ショック」で入院したと報じられている(オランド側はガイエとの関係は否定しなかったが、記事がプライバシーを侵害していると批判し、訴訟の可能性を示唆)。

 フランス国民はこの疑惑について「確証」を必要としているとの記者会見での質問に対して、オランドは無表情で「公的人物はしばしば私生活で困難に直面する」とだけ述べ、原則として「私生活はそっとされるべきだ」と主張した。

 追加質問をさえぎり、オランドはそのような話題を話すような場ではないと述べた。直前まで大幅な財政赤字と若者を中心とした雇用問題(失業率10.3%)について詳細に述べていたばかりだった。

 だがそうした深刻な経済問題よりも入院したトリエルベレールのほうに関心を寄せる国民もいるようだ。07年以来の事実婚パートナーだが、今回の騒動で公私両面における彼女の「地位」に疑問が投げかけられれている。オランドはトリエルベレールとの交際以前には社会党議員セゴレーヌ・ロワイヤルとの間に子供をもうけもした。だがオランドは今なお法律上は独身を謳歌している。

 BBC(英国放送協会)によるとトリエルベレールには大統領府に公的なスタッフを6人抱えているというが、彼女は公職にあるわけでもない。「ファーストレディー」はアメリカのものだ。「政治問題となった以上、トリエルベレールは解決の必要性を承知している」とパリジャン紙記者のフレデリック・ゲルシェルは語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相との会談「普通のこと」、台湾代表 中国批判

ワールド

米韓制服組トップ、地域安保「複雑で不安定」 米長官

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー

ワールド

インドネシア、9月輸出入が増加 ともに予想上回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中