迷走し続ける沖縄の普天間基地問題で、名護市辺野古に隣接するキャンプ・シュワブ陸上への移設案が新たに浮上した。この案は米政府にも非公式に提案され、19日には北沢俊美防衛相も前向きに検討することを示唆したが、どうしても苦し紛れに出した案と思えてならない。
本誌でも報じたように、鳩山政権がこれまで挙げた移設先案には問題が多すぎる。キャンプ・シュワブ陸上部も例外ではない。
筆者は05年にキャンプ・シュワブに泊り込んで海兵隊の戦闘部隊に密着取材したが(当時の記事は3月ごろに本サイトで再掲載する予定です)、この基地に普天間のヘリ部隊や輸送機を移設するのはちょっと無理があるだろう。
まず、キャンプ・シュワブ周辺は勾配が多い丘陵地帯のため、飛行訓練にはあまり適さない。さらに、この基地では海兵隊の戦闘部隊による爆破訓練や実弾射撃訓練(長距離射撃も含む)が日常的に行われているため、ヘリや輸送機の飛行訓練で安全上の問題が増大するだけでなく、戦闘部隊の訓練にも支障をきたしかねない。ただでさえ、沖縄の米軍基地は地元への配慮から他国の駐留米軍基地と比べて訓練上の制約が多い。米軍からしてみれば、これ以上の規制が課せられるのは避けたいところで、この案をすんなり受け入れるとは思えない。
キャンプ・シュワブを一度でも訪れたことがあれば、これくらいのことは簡単に分かるはずなのだが......。
──編集部・横田 孝