コラム

超銀河系セックスって何だ!?

2010年02月24日(水)19時30分

 イタリア政界が、またもやセックス・スキャンダルで揺れている。とは言っても今回の主役は、もはやスキャンダルの申し子と化したシルビオ・ベルルスコーニ首相ではなく、グイド・ベルトラーゾ防災庁長官だ。

 ベルトラーゾは、昨年のG8(主要8カ国)サミットの会場として、約3億2700万ユーロが投じられた関連施設の建設事業の入札に絡んだ汚職疑惑で捜査対象になっている。

 イタリアがこのニュースにショックを受け、新聞でも連日大きく報じられる事態になったのは、このスキャンダルがあまりにもベルトラーゾのイメージとかけ離れているからでもある。彼は勤勉な働きぶりと、まじめで冷静なイメージで国民から高い人気を誇ってきた男だ。どういうわけか、不真面目なはずのベルルスコーニの信頼も厚い。昨年のイタリア中部地震では救助活動を指揮し、ヒーロー的な存在になっていた。

 そんな彼のために、贈賄容疑で逮捕された建設会社社長が企画していたのは「メガ・ギャラクティック・セックス・パーティー」と呼ばれる(言うまでもないが)性的な接待。果たして何がメガ・ギャラクティックなのかは分からないが、ベルトラーゾは同社長が所有するフィットネスセンターで、マッサージ以上の性的なサービスを繰り返し受けていた疑いがもたれている。

 08年11月にはセンターに電話し、接待を要求するところを捜査当局が盗聴していたという。そこで彼は、「今、アメリカから帰国したところだ。今日の午後、フランチェスカ(ベルトラーゾの相手をしていたとされる女性)が空いているなら、ぜひ『徹底的な検査』を受けたい」と語ったとされる。

 どうだろう。昨年、大騒動を巻き起こした買春疑惑でベルルスコーニが言ったとされる「プーチンのベッドで待っていなさい」発言に比べると、まじめな人柄が感じられる発言ではないだろうか。

 とはいえ、今回の疑惑で2月10日には辞表の提出を余儀なくされてしまったベルトラーゾ。ベルルスコーニのように国民がスキャンダルに慣れっこになっていたり、「私は聖人ではない」と開き直ることもできないのが、まじめな男の悲しいところなのかもしれない。

――編集部・藤田岳人

このブログの他の記事も読む

 裏切りと因縁と偽パスポート

 キャメロン監督が描く「ヒロシマ」とは

 カラチ・コネクション

プロフィール

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド貿易赤字、11月は縮小 政府高官「米との枠組

ビジネス

日本生命、医療データ分析のMDVにTOB 完全子会

ワールド

逮捕されたイランのノーベル平和賞受賞者、激しい殴打

ビジネス

英財務報告評議会、EYのシェル監査を規則違反で調査
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story