コラム

そろそろ価値観の転換が必要。インフレ経済はすでに始まっている

2018年05月29日(火)12時00分

これまでは、当座預金が市中に出回らないことが問題だったが(つまりデフレ傾向が強い)、ひとたび経済がインフレ・モードにシフトすれば、このマネーが当座預金から引き出され、貨幣供給を押し上げる可能性がある。つまりコストプッシュ・インフレという要因に加えて、貨幣供給量の増大というディマンドプル・インフレの要素も加わってしまう可能性があるのだ。

そうなった場合、日銀は、物価や金利をコントロールすることが極めて難しくなるだろう。

インフレを抑制するため金利を引き上げれば景気が減速し、場合によってはスタグフレーション(不況下のインフレ)に陥る可能性がある。また、金利の上昇は国債価格を不安定化し、政府の利払い費を増大させるので、財政的にも厳しくなる。一方、金利を低いままに維持すれば予想外に物価が跳ね上がってしまうかもしれない。

いずれにせよ、今年に入ってから日本経済の景色は大きく変わった。企業や消費者は、そろそろ従来の価値観を根本的に変える必要がありそうだ。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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