ニュース速報

ワールド

トルコ中銀、6.50%利上げ 上げ幅予想下回り通貨リラ急落

2023年06月23日(金)02時43分

 トルコ中央銀行は22日、政策金利の1週間物レポレートを8.50%から650bp引き上げ15.0%とした。写真はトルコ中銀のロゴ。2021年10月アンカラで撮影(2023年 ロイター/Cagla Gurdogan)

[イスタンブール 22日 ロイター] - トルコ中央銀行は22日、政策金利の1週間物レポレート を8.50%から650ベーシスポイント(bp)引き上げ15.0%とした。エルドアン大統領が強く求めていた低金利政策からの転換となる。ただ利上げ幅が予想を大きく下回ったため、通貨リラは急落した。

今回は、エルドアン氏の大統領選勝利後に任命されたエルカン新総裁にとって最初の政策決定会合。利上げは2021年初め以来となる。

ロイター調査では、トルコ中銀は政策金利を21%に引き上げると予想されていた。

アナリストは、エルカン新総裁がエルドアン政権下でインフレ対応に積極的に取り組む余地は限られている可能性があると指摘。トルコリラは中銀の利上げ発表から30分後に急落し始め、前日終値比約5%安の1ドル=24.80リラと、過去最安値を更新した。

中銀は、利上げは「できるだけ早期にディスインフレの軌道を確立しインフレ期待を安定させ、価格決定行動の悪化を制御するため」と説明。「インフレ見通しの大幅な改善が達成されるまで、適切なタイミングで緩やかに、金融引き締めが一段と強化される見通しだ」と表明した。

トルコのインフレ率は昨年10月に85%超と、24年ぶりの高水準を記録。ただ今年5月には40%をやや下回る水準に低下した。

トルコ当局者は今回の利上げについて、市場の過度な変動を避けることが目的で、政策引き締めの決意を示すものと指摘。こうした力強い措置は今後も続くとの見方を示した。

ただ、インタッチ・キャピタル・マーケッツのシニア外為アナリスト、ピョートル・マティス氏は「エルカン総裁がオーソドックスな金融政策を回復させる余地は限られている」としている。

ロイター調査では、大部分のエコノミストが年内の追加利上げを予想。年末時点の金利水準の予想中央値は30%となっている。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テスラ、6月の英販売台数は前年比12%増=調査

ワールド

豪家計支出、5月は前月比+0.9% 消費回復

ワールド

常に必要な連絡体制を保持し協議進める=参院選中の日

ワールド

中国、太平洋島しょ地域で基地建設望まず 在フィジー
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 7
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 8
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 5
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 6
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中