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焦点:エルドアン氏の対抗馬探し混迷、野党有力候補に有罪判決
トルコの裁判所が12月14日、最大都市・イスタンブールのイマモール市長(写真)に対し公務員を侮辱した罪で禁錮刑と政治活動禁止の判決を言い渡したことで、野党勢力は大統領選を半年後に控えたこの時期に、エルドアン大統領の対抗馬探しで窮地に立たされている。イスタンブールで14日撮影(2022年 ロイター/Dilara Senkaya)
[アンカラ 15日 ロイター] - トルコの裁判所が14日、最大都市・イスタンブールのイマモール市長(52)に対し公務員を侮辱した罪で禁錮刑と政治活動禁止の判決を言い渡したことで、野党勢力は大統領選を半年後に控えたこの時期に、エルドアン大統領の対抗馬探しで窮地に立たされている。
次期大統領選は、20年近く政界を牛耳ってきたエルドアン氏を追い落とす絶好の機会だ。協和人民党(CHP)など野党6党は、来年の選挙に向けて政策のすり合わせに努めてきた。
ただ、複数の関係筋によると、野党内では候補者について意見が割れたまま。この課題についてオープンな議論さえ始まっておらず、インフレやリラ安、生活水準の急激な低下で落ち込んだ支持を取り戻そうと焦るエルドアン氏に塩を送る形になっている。
14日の判決の確定には上級審の承認が必要だが、そうした野党側の状況下で有力候補の1人とされてきたCHPのイマモール氏は政治生命に黄信号が灯った。
元ビジネスマンのイマモール氏は2019年のイスタンブール市長選で勝利し、世俗派として25年ぶりに与党・公正発展党(AKP)などの親イスラム政党からイスタンブール市長職を奪回した。今回の判決はイマモール氏の注目度を高める面もある。
イマモール氏の歩みはエルドアン氏の初期の政治的キャリアと重なる部分がある。エルドアン氏もイスタンブール市長を務め、1999年に短期間収監された後、政治の全国的な舞台で頭角を現した。
それ以降、エルドアン氏はイスラム教重視にかじを切り、反対派を弾圧。近年は異例の経済政策を導入し、リラの急落を招いた。
エルドアン氏の対抗馬としては、アンカラ市長のヤワシュ氏とCHP党首のクルチダルオール氏の2人が候補に挙がっている。クルチダルオール氏は繰り返し出馬の意向を表明しているが、イマモール氏に比べて選挙戦が不得手との見方もある。
サバジュ大学のBerk Esen准教授(政治学)は「今回の判決でイマモール氏がエルドアン氏の最も苦手なライバルであることが浮き彫りになった」と指摘。「野党勢力と野党支持の有権者は、イマモール氏の立候補を求め圧力をかけ始めるだろう」と述べた。
<優良党は市長の出馬望む>
メトロポールの最近の調査によると、大統領選はエルドアン氏が得票率でクルチダルオール氏を上回るものの、イマモール氏には僅差で、ヤワシュ氏には大差で負けると予想されている。
クルチダルオール氏の支持派は、同氏には他の意見に耳を傾ける力があり、中道右派で民族主義の優良党を含めた寄せ集めである野党連合のトップに適任だと主張している。
AKPは今もアンカラとイスタンブールの両市議会を制しており、大統領選出馬のためにどちらかの市長が辞任すれば、後釜にはAKPの支持する人物が就く。
しかし、野党勢力で第2党の優良党はCHP党首のクルチダルオールよりも、イマモール氏かヤワシュ氏のいずれかを候補に選ぶ可能性が高いと複数の関係者が話した。
優良党の国際関係担当副党首で元外交官のAhmet Erozan氏は14日の判決前、ロイターの取材に「野党6党が候補者について議論したことは一度もない」と明かした。
一方で「12月末にはロードマップが出来上がる。その実行に最適な人物が候補者となり、来年1月初旬に正式候補者に選ばれる可能性が高い」という。
ユーラシア・グループの欧州担当ディレクター、エムレ・ペケル氏は、イマモール氏に対する有罪裁判で野党勢力は活気付くだろうが、判決が大統領選候補者選びでイマモール氏の追い風になるかどうかは、まだ分からないと分析する。
ぺケル氏はまた、クルチダルオール氏が「個人的な野心を捨て、イマモール氏支持に回るよう、何らかの圧力を受ける可能性がある」ものの「急いで決断することはないだろう」とみている。
メトロポールの調査員のOzer Sencar氏によると、野党の選択肢の1つは、イマモール氏の判決が選挙前に確定した場合、出馬する予備的な候補を選出すること。
これに対してエルドアン氏率いるAKPは経済対策の一環として退職手当、最低賃金引き上げ、学生支援などを計画しており、野党勢力から主導権を取り戻す可能性もある。
サバジュ大学のEsen氏は「政府が勢いを失っている。トルコ経済は深刻な危機を迎えている」が、「それにもかかわらず野党は、野党支持の有権者に対してさえ、選挙で勝つという確信を与えることができていない」と、野党のふがいなさを指摘した。
(Birsen Altayli記者、Ece Toksabay記者、Orhan Coskun記者)





