ニュース速報

ワールド

インドネシア中銀は利上げ加速か、燃料値上げの物価圧力懸念

2022年09月06日(火)11時45分

インドネシア政府が3日に政府補助金付き燃料の価格引き上げを発表したことで、同国中央銀行が利上げペースを加速させる──。エコノミストの間でこうした見方が広がっている。写真はジャカルタ市内、8月撮影(2022年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)

[ジャカルタ 5日 ロイター] - インドネシア政府が3日に政府補助金付き燃料の価格引き上げを発表したことで、同国中央銀行が利上げペースを加速させる──。エコノミストの間でこうした見方が広がっている。

中銀は8月会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げた。ただそれまでは、海外の中銀が急ピッチで利上げに動く中でも政策金利を過去最低の3.50%に据え置き続けてきた。手厚い燃料補助金が物価抑制効果を発揮していたからだ。

しかしジョコ大統領が3日、補助金付き燃料の30%値上げに動いた。食品価格は既に世界的なコモディティー高騰で値上がりしているだけに、物価が今後さらに押し上げられる恐れを受けて金融政策の見通しもがらりと変わってきている。

8月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は4.69%と、中銀が目標とする2─4%の上限を3カ月連続で上回っていたが、複数の財務省高官は今月5日、年内にCPI上昇率は6.6─6.8%に達すると予想した。

OCBC銀行のエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は「財政面のインフレ防衛措置がなくなったという意味で、燃料価格引き上げは中銀にとって情勢をかなり一変させる要素だ」と指摘。CPI上昇率が数カ月中に7%まで跳ね上がる可能性があると見込んだ上で、中銀が年内に最低でも50bp、あるいはそれ以上の利上げに踏み切ると想定している。OCBC銀行は燃料価格引き上げ発表前まで、年内利上げ幅を最大でも50bpとみていた。

ロイターがエコノミスト11人に実施した調査では、年末から来年終盤までに予想される追加利上げ幅は燃料価格引き上げ発表前に25ー125bpだったが、発表後は50─225bpに切り上がった。

一部エコノミストはより前倒しの利上げを予想。政策金利は現利上げサイクルで来年中に6%まで上昇するとの声も出ている。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=上昇、テクノロジー株の回復続く

ビジネス

NY外為市場=円上昇、155円台半ば 中国の米国債

ビジネス

再送-〔アングル〕自民圧勝でも円売り不発、「対話」

ワールド

バングラデシュ、米と貿易協定締結 繊維製品は一部が
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 5
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 8
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 9
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 10
    【銘柄】なぜ?「サイゼリヤ」の株価が上場来高値...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中