ニュース速報

ワールド

中国で記録的猛暑、長江流域で干ばつ対策 製造業生産に影響

2022年08月17日(水)19時41分

8月17日 中国政府が長江流域で緊急の干ばつ対策を打ち出している。写真は露出した長江の川床。17日に重慶で撮影(2022年 ロイター)

[上海 17日 ロイター] - 記録的猛暑が続く中国では電力不足や干ばつが深刻となり、政府が相次ぎ対策を打ち出している。対策の影響で一部製造業が生産停止を迫られ、経済活動にも影響が出ている。

水利省は17日、長江流域の干ばつが「農村部の人々や家畜の飲料水確保、作物の成長に悪影響を及ぼしている」と指摘。干ばつに見舞われた地域を正確に把握し、水の供給維持に向けた対策を講じるよう地元政府に指示した。

三峡ダムは16日、下流の水量を増やすため、今後10日間、放水量を5億立方メートル増やすと表明。

今週の財政省の発表によると、一部の家畜が干ばつ地域から一時的に他の地区に移された。同省は災害援助で3億元(4430万ドル)を交付する方針も示した。

湖北省は17日、ヨウ化銀を雲に発射して雨を降らせる計画を発表した。

四川省は17日、住宅、オフィス、ショッピングモールを対象とする電力制限を開始した。中国では電力不足時には基本的に家庭用・商業用電力の供給を優先し、工業用電力の供給を制限する。四川省の措置は状況の深刻さを示す。

同国では40度以上の気温を記録した気象観測所が262カ所と、過去最高に達した。8カ所が44度を記録している。

猛暑は64日間にわたり、1961年の記録開始以降で最長と国営メディアは報じた。西太平洋の亜熱帯高気圧がアジアの大半に張り出していることが影響しているとオーストラリア連邦科学産業研究機関(CSIRO)の研究員は指摘する。

中国気象当局によると、四川盆地および中部の大部分で高温が8月26日まで続く見込み。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港大規模火災の死者83人に、鎮火は28日夜の見通

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ

ワールド

ウクライナ、和平合意後も軍隊と安全保障の「保証」必

ビジネス

欧州外為市場=ドル週間で4カ月ぶり大幅安へ、米利下
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中