ニュース速報

ワールド

広東省の製造拠点・東莞市、大規模なコロナ検査開始 港湾混雑

2021年06月21日(月)18時50分

 6月21日、中国南部・広東省で製造業の一大拠点になっている東莞市が、新型コロナウイルスの大規模検査を開始した。広州市で2日撮影(2021年 ロイター/China Daily)

[北京 21日 ロイター] - 中国南部・広東省で製造業の一大拠点になっている東莞市が21日、新型コロナウイルスの大規模検査を開始した。今回の流行で初の感染者が見つかった地域は封鎖されている。

広東省では国内で初めてデルタ株が流行の主流となっている。デルタ株はインドで初めて確認された変異株で、専門家によると、感染力が強い。

東莞市は、18日以降2人の感染が確認されたことを受けて、21日に市内全域で新型コロナ検査を開始。市外への不要不急の移動を控えるよう指示した。

市外に出る場合は、出発前の48時間以内に検査で陰性結果が出ることが条件となる。

他の都市に向かう高速道路の入り口が閉鎖されているほか、広州と深センの空港を結ぶシャトルバスも運行を停止。市内の一部の博物館や図書館も閉鎖されている。

ただ、工場の稼働は続いているという。

広東省では5月21日以降、感染者が168人に上っている。90%近くは省都・広州で確認された。

感染者数は相対的に少ないが、同省は旅行者や貨物の受け入れ拠点となっており、警戒を強めている。

広州では2日連続で感染者が報告されていないが、広東省全体では引き続き新規の感染者が報告されている。

<港湾の混雑>

中国で最も多く利用されるコンテナ港の1つである広東省深セン市の塩田国際コンテナターミナル(YICT)では、5月21日以降、厳しい消毒・検疫措置を実施。港湾の混雑につながっている。

海上貨物運賃を分析しているXeneta(オスロ)の代表は「スエズ運河の封鎖事故よりも影響は大きいだろう」とし、50隻の船舶が港外で入港待ちの状態となっており、160隻以上に影響が及んでいると指摘した。

「港湾の混雑緩和を待ち切れない輸出業者は、中国から欧州へのトラック輸送に切り替えている」という。通常の操業状態は6月末までに再開する見通し。

ただ海運大手のマースクによると、YICTの混雑が緩和しても、深センの蛇口港、広州の南沙港の混雑は続くとみられている。

<油断できず>

国内の専門家は、広州のデルタ株対策が、国内の他地域の警戒態勢強化を促す上で寄与すると指摘している。

中国国家衛生健康委員会の21日の発表によると、20日に中国本土で報告された新規感染者は17人で、前日の23人から減少した。

このうち1人は東莞市の患者。もう1人は外国からの渡航者だった。

無症状感染者は19人で、前日の20人から減少した。

*カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

率直に対話重ね戦略的互恵関係を包括的に推進=日中関

ワールド

豪ボンダイビーチ銃乱射事件、容疑者を殺人など59件

ビジネス

12月の日銀利上げ織り込み済み、「注目はペースと到

ビジネス

インタビュー:次期中計で純利益2兆円視野、実力切り
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中