ニュース速報

ワールド

米上院超党派グループ、インフラ投資計画の枠組みで合意

2021年06月11日(金)10時52分

6月10日、米上院議員から成る超党派グループは10日、インフラ投資計画の枠組みで合意に達したと発表した。写真は民主党シューマー上院院内総務。米議会で8日撮影(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米上院議員10人から成る超党派グループは10日、インフラ投資計画の枠組みで合意に達したと発表した。増税は盛り込まないと言明した。

共和党と民主党それぞれ5人の議員で構成する同グループは合意の詳細を明らかにしなかったが、合意内容に詳しい関係筋は、支出規模は5年間で9740億ドル、8年間で1兆2000億ドルに上り、5790億ドルの新規歳出が含まれるという。

超党派グループは声明を出し、合意内容について他の議員やバイデン政権側と協議しており、幅広い支持を得られると楽観していると表明。

「このグループは誠実に取り組んだ結果、米国のインフラとエネルギー技術を現代化するため、妥協による現実的な枠組みで合意に達した」とした。「投資の財源を完全に確保し、増税は含まない」と言明した。

事情に詳しい議会筋によると、合意には、新型コロナウイルス対策の未使用予算の活用や、連邦ガソリン税を物価スライド制にして財源を賄うなどの案が含まれた。

ホワイトハウスは超党派グループと連携し、政策と財源に関する問題に対処すると表明。バイデン大統領の考えに詳しい関係者によると、政権側はガソリン税の物価スライド制導入に向けたいかなる取り組みにも反対している。

上院民主党のシューマー院内総務は先に、超党派案の検討に前向きだが、明文化したものを見たいと述べていた。同時に、財政調整措置(リコンシリエーション)を活用し、単純過半数で法案を通過させる道も残していると強調した。

バイデン大統領は1兆7000億ドル規模のインフラ投資計画を掲げ、上院共和党グループと交渉したが、同グループを主導したカピト議員の提示額が低すぎるとして、8日に協議を打ち切り、超党派グループに働き掛ける方針に転換した。

共和党関係者によると、上院共和党トップのマコネル院内総務も超党派案の受け入れに前向きな姿勢を示した。

ホワイトハウス広報部長のべディングフィールド氏は10日、CNNに対し、上下両院で超党派の協議が進められていることを評価。「現在、複数の方面で進展が見られている」とし、「これが法案を成立させるやり方だ。多くの過程が必要で、異なる道筋で同時並行的に進展を遂げているのにわれわれは勇気づけられている」と語った。

ただ、民主党の一部議員は、インフラ法案の対象を物理的なインフラのみに絞り、法人や富裕層への増税を排除する共和党の手法を批判している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

良品計画、8月31日の株主に1対2の株式分割

ビジネス

日経平均は小幅続落、ファーストリテが320円押し下

ビジネス

英GDP、5月は前月比-0.1% 予想外に2カ月連

ビジネス

良品計画、25年8月期の営業益予想を700億円へ上
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 9
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中