ニュース速報

ワールド

情報BOX:来週開幕、中国全人代の概要と見通し

2021年02月28日(日)15時41分

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が3月5日に開かれ、政府が今年の目標と経済発展5カ年計画を発表する。写真は2020年5月、全人代が開かれた北京の人民大会堂で撮影(2021年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

[北京 25日 ロイター] - 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が3月5日に開かれ、政府が今年の目標と経済発展5カ年計画を発表する。大会の概要と見通しをまとめた。

◎「両会」とは

全人代は決定事項をそのまま承認する議会。おおむね形式的な助言組織である全国政治協商会議(政協)と併せて「両会」と呼ばれる。

全人代は今年は3月5日に始まり、会期は約1週間の見通し。政協も並行開催される。

通常5000人ほどの代表が集まる。今年は厳格な新型コロナウイルス感染防止策の下で開催される。昨年は新型コロナ感染拡大に対応して5月に延期された。

議題の目玉は2021年の政治活動報告と、第14次5カ年計画の公表。5カ年計画は数百ページに及び、25年までの優先事項が列記される見通し。

全人代での法案採決は中国共産党の意向に沿うものとなり、通常は圧倒的多数の賛成で可決される。ただ時には汚職や犯罪などの問題に関し、出席者が党の方針から外れて不満をはき出すこともある。

規定上は18歳以上の全国民が、下部組織の投票を通じて代表に選出され得るが、実際には地元の政府関係者が自分で決めるケースがほとんど。

通例通りなら、李克強首相と王毅国務委員兼外相が記者会見を開く。

◎活動報告の内容

通常は年間の国内総生産(GDP)成長率目標が発表されるが、昨年は、コロナ禍により景気見通しが不透明となったため発表が見送られた。

複数の政策筋がロイターに語ったところによると、今年も目標は発表されない見通し。ただアナリストは、経済がコロナ禍による昨年の落ち込みから力強く回復しているため、今年の成長率は8%を超える可能性があるとみている。

今年のインフレ率、雇用創出、財政赤字、地方政府の債券発行については目標が発表される見通し。

通常は防衛費の伸び率見通しも盛り込まれる。昨年は6.6%と過去約30年間で最低だった。しかし今年は国内経済が好転し、台湾などとの間で緊張が高まっているため、伸びが加速すると多くのアナリストは予想している。

全人代は香港について、親中派の「愛国者」のみによる統治体制を確保するため、選挙制度改革を検討する見通し。昨年は全人代で「香港国家安全維持法」の導入を示唆した1カ月後に、同法が成立した。何か月にも及んだ抗議活動に対抗した動きだった。

◎5カ年計画の内容

アナリストによると、2021―25年の5カ年計画は、環境問題への対応と技術革新を進め、外国への依存度を減らす経済構想を打ち出す見通し。

今回の計画に盛り込まれるのは成長、環境保護、技術発展、生活水準についての大まかな目標であり、より具体的な計画は後日公表する予定。

ロイターが先に報じた通り、5年間の年平均成長率目標は約5%に設定される可能性が高い。これに先立つ5年間の目標は「6.5%超」だった。

技術革新の促進が計画の柱となりそうだ。これは米国との緊張が高まる中、中国技術産業のサプライチェーンが抱える脆弱性を減らす狙いもある。

国内消費をてこ入れし、習近平国家主席が掲げる「双循環」戦略の下で、内需拡大と、外国に依存しない自給態勢を促す改革も公表する可能性がある。

60年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする習氏の目標に向け、排出削減も優先課題の1つに挙げられそうだ。中国は急速に高齢化が進んでいるため、人口動態の変化に伴う課題が取り上げられる可能性もある。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏とサウジ皇太子が電話会談、OPECプラス

ワールド

イラン、米との会談巡り開催地変更と二国間協議を要求

ワールド

「グロック」、自主規制後も性的画像生成 管理不適切

ビジネス

これまでの米利下げ、雇用の健全性に寄与=リッチモン
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 8
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 9
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 10
    「耐えられない...!」アライグマをペットにしている…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中