ニュース速報

ワールド

米国務長官、南シナ海巡りインドネシアと協力へ新たな手段模索

2020年10月29日(木)17時30分

 10月29日、インドネシアを訪問中のポンペオ米国務長官(写真左)は、南シナ海でインドネシアと協力する新たな手段を模索すると表明した。写真右はインドネシアのルトノ外相。提供写真(2020年 ロイター/Indonesian Ministry of Foreign Affairs)

[ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシアを訪問中のポンペオ米国務長官は29日、南シナ海でインドネシアと協力する新たな手段を模索すると表明した。また、米国は同海域における中国の「違法な」主張を受け入れないとし、自国の海域を守ろうとするインドネシアの取り組みを尊重するとした。

ポンペオ長官は米中間の緊張が高まる中、戦略的関係や経済関係の強化を目指し、現在アジア5カ国を歴訪中。

ポンペオ長官は、インドネシアのルトノ外相との共同記者会見で、南シナ海にあるナトゥナ諸島周辺の水域における主権保護に向けた同国の「断固とした行動」を称賛した。ナトゥナ諸島周辺では中国も領有権を主張している。

長官は、中国の主張は「違法」だと強調。「海洋安全保障で主要な国際貿易ルートが確実に保護されるよう新たな手段でともに協力していくことを期待する」と述べた。

ルトノ外相は、国際法が順守される「安定的で平和的な」南シナ海を望むとした。

ルトノ外相はインドネシアと米国が軍事調達、訓練、情報共有、海上警備における連携を推進することで防衛協力を強化すると述べた。

ただトランプ政権の中国に対する強硬な姿勢にインドネシア政府当局者は懸念を示している。ルトノ外相は「この困難な時期に包摂的な協力を模索する必要性を改めて強調した」とし、全ての国が世界の平和、安定、繁栄に向けた取り組みに関与する必要があると訴えた。

<経済協力>

ルトノ外相はまた、インドネシアの「自由で独立した」外交政策に言及し、ポンペオ長官に経済協力の拡大を求めたと明らかにした。

米国はインドネシアに対する一般特恵関税制度(GSP)適用を見直しており、インドネシアは中国との経済関係を深めている。

ルトノ外相はポンペオ長官にGSPが両国にとって重要であることを指摘したとし、ナトゥナ諸島のような島しょも含めてインドネシアへの投資を増やすよう米企業に要請したと語った。

長官は両国の経済関係の弱い部分を認識していると述べたが、GSPの延長については言質を与えず「デジタル、エネルギー、インフラなどの分野を中心に米国からの投資をもっと増やすべきだ」と指摘した。

ポンペオ長官は29日にインドネシアのジョコ大統領とも会談した。

ルトノ外相によると、ジョコ大統領はGSPの延長も含め、両国の経済協力を今後発展させたいと強調した。また地域の平和と安定、協力を確立するために東南アジアを理解するよう促したという。

ポンペオ長官はこれまでにインド、スリランカ、モルディブを訪問。29日中にベトナムに向けて出発する。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

透析・手術用の品目、「安定供給図る体制立ち上げた」

ワールド

トランプ氏、NATOへの関与に否定的発言 集団防衛

ワールド

北朝鮮が固体燃料エンジンの地上燃焼実験、金総書記が

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 10
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中