ニュース速報

ワールド

韓国、インフル予防接種後の死者48人に 当局「中断しない」

2020年10月26日(月)08時49分

 10月24日、韓国疾病予防管理庁(KDCA)は、インフルエンザ予防接種後に死亡する事例が相次いでいる問題で、死者数が前日比12人増の48人になったと発表した。写真は23日、ソウルでインフルエンザの予防接種を受ける男性(2020年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 24日 ロイター] - 韓国疾病予防管理庁(KDCA)は24日、インフルエンザ予防接種後に死亡する事例が相次いでいる問題で、死者数が前日比12人増の48人になったと発表した。ただ、政府は新型コロナウイルスとの同時流行を回避するため、インフル予防接種プログラムを継続する方針。

KDCAの鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長は記者向けブリーフィングで「これまでの死亡事例を検証した結果、インフル予防接種プログラムを中断する状況にはない。新型コロナ流行を踏まえると、予防接種は今年、非常に重要だ」と述べた。

同氏によると、26の死亡事例を検証した結果、インフル予防接種との直接的な因果関係は見つからなかった。

警察と国立科学捜査研究院による最初の約20人の遺体解剖の結果、13人がワクチン接種とは無関係の心臓や脳の血管異常などが死因だと特定された。

死亡事例の増加を受け、医療関係者や政治家の一部は予防接種プログラムの停止を求めている。

鄭氏はインフル予防接種を奨励する一方で、接種前に十分な水分を摂る、基礎疾患を医療従事者に事前に伝えるなどの注意点を列挙した。また、接種後は15─30分間病院に待機するよう勧告した。さらに、低い気温が心臓や脳の血管系の疾患に影響を与える恐れがあるため、なるべく気温が暖かい時にワクチンを接種するよう呼び掛けた。

KDCAによると、9月に開始した予防接種プログラムでこれまでに940万人が接種を受け、約1154人に副作用が報告されている。

新型コロナの国内感染者数の累計は2万5775人、死者数は457人に上っている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、6月以降の数回利下げ予想は妥当=エストニア

ワールド

男が焼身自殺か、トランプ氏公判のNY裁判所前

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中