ニュース速報

ワールド

イランハッカーの米大統領選介入メール、「ばかな間違い」で虚偽露呈

2020年10月23日(金)11時55分

 10月22日、米有権者に送付された数千件の有害メールの出所がイランのハッカー集団だと米政府分析担当者や民間調査員が迅速に突き止めることができたのは、一部メールに添付されていた動画に間違いがあったからだった。オーストリア・ウィーンで2015年7月撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 22日 ロイター] - 米有権者に送付された数千件の有害メールの出所がイランのハッカー集団だと米政府分析担当者や民間調査員が迅速に突き止めることができたのは、一部メールに添付されていた動画に間違いがあったからだった。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。

通常は技術的な分析や機密情報収集などに何か月もかかるが、今回は数日で米政府が特定と公表ができた。ある米当局者は「彼らがばかな間違いをしたか、わざと突き止められるようにしたかったのかのどちらかだ」と述べた。

イランのハッカー集団の仕業だということが、背後にイラン政府がいることを必ずしも意味するわけではない。イラン当局者はこうした米国の主張を否定している。

ラトクリフ米国家情報長官は21日、イランとロシアが米大統領選に介入を試みていたと発表した。

問題の動画は今週になって出回った。動画は米極右グループ「プラウド・ボーイズ」の公式とされるメールアドレスから発信されたように装っていた。これが出回って数時間内に、米情報機関当局者やアルファベット傘下のグーグル、マイクロソフトといった大手プラットフォーム業者は、ぼかしを掛けた動画に映っているハッカーのコンピューター画面上のファイル名やIPアドレスなどのコンピューターコードの詳細分析を開始したという。

分析担当者によると、メールは有権者を脅して共和党やトランプ大統領への投票を要求する内容。しかし、肝心のプラウド・ボーイズのアドレスが本物でなかった。IPアドレスはオランダ拠点のオンラインサービス「ワールドストリーム」を通じて提供されており、このIPアドレスをたどると、過去のイランによるハッキング活動につながった。そこで、動画から得られる手掛かりと、他の通信傍受などの諜報活動から得られたデータを組み合わせて分析したという。

大量のメールはフロリダ州などの有権者に送られた。

プラウド・ボーイズは関与を否定している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

街角景気3月は6.7ポイント低下、中東情勢でマイン

ビジネス

日経平均は大幅続伸、米イラン停戦合意で買い戻しに弾

ワールド

習主席、「中国流」サービス業目指す 需要主導と技術

ビジネス

CKハチソンのパナマ子会社、港湾買収巡り対マースク
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 7
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 8
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 9
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 10
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中