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トランプ氏が退院、ホワイトハウスに戻る 「コロナを恐れるな」

2020年10月06日(火)12時17分

 トランプ米大統領が10月5日、新型コロナウイルス感染により入院していたワシントン郊外の米軍医療施設を退院し、ホワイトハウスに戻った(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 5日 ロイター] - 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領は5日、入院していたワシントン郊外の米軍医療施設を退院し、3日ぶりにホワイトハウスに戻った。直後に公開したビデオでは、国民に「新型コロナを恐れるな」と呼び掛けた。

ただ、ホワイトハウスでは職員の感染が広がっているとされるほか、11月3日の大統領選まで4週間となる中、新型コロナが選挙戦にいっそう影を落としている。

トランプ氏は退院時、マスクをして施設から徒歩でリムジンに向かった。ホワイトハウスで何人が感染しているかとの記者からの質問には直接答えず、「ありがとう」と述べた。

その後、大統領専用ヘリでホワイトハウスに到着。代表で取材した記者によれば、体調を尋ねると「非常に良い」と答えた。

ヘリを降りた時点ではマスクをしていたが、ホワイトハウスの南側玄関の階段を歩いて上るとマスクを外し、親指を立てたり手を振ったりしながら写真撮影のためにポーズをとった。

テレビの映像では、マスクをポケットに入れたままホワイトハウスの中に入る様子が映されている。

トランプ氏は事前収録した国民向けのビデオメッセージで、マスクを着けず、「(新型コロナに)支配されるな、恐れるな」と呼び掛けた。[nT9N2B301J]

その後トランプ氏のツイッターに投稿されたビデオでは、ホワイトハウスを飛び立つ大統領専用ヘリに同氏が敬礼する様子などを音楽付きで伝え、すぐに100万回近く閲覧された。

民主党のバイデン前副大統領がこれらの動画を見たかは不明だが、同氏はフロリダ州マイアミで開いたNBCニュースの対話集会で、新型コロナの深刻さやマスク着用の重要性を強調。

トランプ氏の容体が順調な様子なのは喜ばしいとした上で、「自身の経験を踏まえて国民に正しい教訓を発してほしい。マスクは重要だ」と述べた。

これより先、医師団は米軍医療施設の前で記者会見し、トランプ氏は72時間以上発熱しておらず、血中酸素濃度も正常だと説明した。過去数日間に酸素吸入を2回行ったことも明らかにした。

ただ、肺への影響についてはコメントを控えたほか、トランプ氏が最後にウイルス検査で陰性だったのはいつかとの質問にも答えなかった。

主治医のショーン・コンリー氏は「完全に困難を乗り越えてはいないかもしれない」とし、「月曜日(12日)まで症状が変わらないか、もしくは改善すれば、ようやく深い安堵の息をつくことができる」と述べた。ホワイトハウスに戻っても医師団が常時付き添うとも強調した。[nL4N2GW2ZR]

トランプ氏の退院前に関係筋がロイターに明らかにしたところによると、同氏は先週、病院に行くことをためらい、外に出たがったという。

大統領の周辺では感染が拡大しており、ホワイトハウスのマクナニー報道官は5日、検査で陽性が判明したことを明らかにした。[nL4N2GW2QX]

関係筋によると、ホワイトハウスの広報部門職員、チャド・ギルマーティン氏とキャロリン・リービット氏も検査で陽性と確認された。

*退院時の状況やバイデン前副大統領のコメントを追加しました。

ロイター
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