ニュース速報

ワールド

NZ首相、再選ならリオ・ティントとアルミ製錬所の操業延長交渉へ

2020年09月28日(月)15時56分

 ニュージーランドのアーダーン首相は28日、英豪系資源大手リオ・ティントが来年までの閉鎖を発表した同国のアルミニウム製錬所について、自身が10月17日の総選挙で再選を果たせば、3─5年の操業延長を交渉する考えを示した。写真はテレビ討論会に参加する同首相、22日、代表撮影(2020年 ロイター)

[ウェリントン 28日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は28日、英豪系資源大手リオ・ティントが来年までの閉鎖を発表した同国のアルミニウム製錬所について、自身が10月17日の総選挙で再選を果たせば、3─5年の操業延長を交渉する考えを示した。

製錬所「ニュージーランド・アルミニウム・スメルター(NZAS)」の閉鎖は数千人の雇用を失業リスクにさらし、大手電力会社の収益悪化にもつながるため、選挙戦で繰り返し話題に上っている。

リオは高い操業コストと厳しい市況を理由に、2021年8月までに閉鎖する方針を発表している。

アーダーン氏は遊説先の同国最南端サウスランド地方で開いた記者会見で「製錬所の寿命をあと3─5年延ばすことを求めている」と表明。当面の雇用を守り、地元自治体が将来的な機会を検討し、計画を立てる時間的猶予を確保するためだとした。

NZASは国内電力消費のおよそ12%に相当する年間5000ギガワット時の電力を使用する大口需要者で、約1000人を直接雇用し、間接的に同地方で約1600人の雇用を創出している。

アーダーン氏は、自らが率いる労働党が再び政権を握れば、リオ・ティントおよび国営送電会社トランスパワーと協力して、閉鎖時までの適正な送電コストを決定し、他の需要家に対する電力価格への影響を抑える考えだとした。

リオの太平洋事業の幹部、ケリー・パーカー氏はアーダーン氏の発言を受け、電子メールで「製錬所にとってより公正な価格を決めるための協議の継続には常に前向きだ」と表明。同社は何年も前から、同製錬所の閉鎖をちらつかせ、政府に追加補助金を要求してきた。アーダーン氏は、追加で直接的な補助金を出す可能性を否定した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、FRB議長後任視野に26年初の新理事任命も

ワールド

トランプ氏、貿易交渉拒否国に個別関税設定 週内に通

ワールド

米、イスラエルとシリアと「予備協議」 安保協定の可

ワールド

トランプ氏、FRBに再度利下げ要求 FRB議長に手
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 8
    自撮り動画を見て、体の一部に「不自然な変形」を発…
  • 9
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中