ニュース速報

ワールド

米、台湾にミサイルなど武器7種類売却を計画=関係筋

2020年09月17日(木)00時32分

関係筋によると、米政府は台湾に巡航ミサイルやドローン(無人機)など7種類もの武器システムを売却する計画だ。軍予備役の集まりに出席した蔡総統、台北で6月撮影。(2020年 ロイター/Ann Wang)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米政府は台湾に巡航ミサイルやドローン(無人機)など7種類もの武器システムを売却する計画だ。交渉に詳しい4人の関係者が明らかにした。

これまで台湾への武器売却は、中国を刺激しないよう、慎重に段階的に行われてきた。一度に7種類の売却は異例。

背景には米中関係の悪化がある。トランプ大統領は今年に入り、中国への圧力を強めている。

台湾も蔡英文総統が1月の総統選挙で再選を果たして以降、防衛を最優先課題とし武器調達に積極的になっている。

関係者によると、ロッキード・マーチンやボーイングなどが製造した武器の輸出手続きが進行中で、数週間内に議会に通知される見通し。

トランプ大統領は今週、この件でポンペオ国務長官から説明を受けることになっているという。国務省報道官はコメントを差し控えた。

ある米政府高官は、中国が台湾海峡で威嚇行動をしていることを挙げ「現在、均衡や落ち着きというものはなくバランスが崩れている。危険だ」と指摘。台湾の防衛費の増加は良い兆候だが、一段の行動が求められるとし、「率直に言って、台湾は中国の攻撃を抑止する独自の能力を確保するため、より多くのことを行う必要がある」と述べた。

今回売却する予定の品目の中には台湾が1年以上前から購入を希望していたものもある。ロッキード社のトラック型ロケットランチャー、高機動ロケット砲システム(HIMARS)がその一つで、高精度対戦車ミサイルも希望しているという。

台湾の国防部(国防省に相当)は、報道内容は「メディアの思い込み」とした上で、武器購入を巡る協議や評価は機密扱いで隠密に処理しており、米国から議会に正式な通知があるまでは、公式なコメントは提供できないとした。

ロイターは8月上旬、米政府が台湾に大型の高性能ドローン少なくとも4機、約6億ドル相当を売却することで交渉していると報道した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中