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ジョンソン英首相が入院、新型コロナの症状継続で検査

2020年04月06日(月)10時47分

 4月5日、新型コロナウイルスに感染して自主隔離していたジョンソン英首相が5日、検査のため入院したことが、首相官邸の発表で明らかになった。入院は「予備的措置」としている。3月撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 5日 ロイター] - 新型コロナウイルスに感染して自主隔離していたジョンソン英首相が5日、検査のため入院したことが、首相官邸の発表で明らかになった。入院は「予備的措置」としている。

首相官邸は「主治医の助言により、首相は今夜、検査のため入院した」と発表。「ウイルス検査で陽性反応が出てから10日経っても症状が続いているためで、予備的措置だ」と説明した。

ジョンソン首相(55)は3月27日に検査で陽性反応が出たことを公表。自主隔離に入り、今月3日には、まだ発熱が続いているため隔離を続けると述べていた。

首相官邸は、緊急入院ではないと強調している。首相の主治医が、医療機関で診察を受けるのが妥当と判断したという。

首相官邸は、ジョンソン首相が引き続き政府の指揮を執っているとも強調した。関係筋によると、6日に開かれる新型コロナ対策を話し合う緊急会議はラーブ外相が議長を務める。

英国では、病気などにより首相が職務遂行できなくなった場合の代役について、多数の異なる先例があり、明確なルールがない。

ジョンソン首相の入院のニュースを受け、ポンドは一時、0.4%下落し1ポンド=1.2215ドルまで下げたが、その後はやや下げ渋り0.3%安の1.2230ドルで取引されている。

ジョンソン氏は当初、新型コロナで他の欧州諸国に比べて緩い対策しか講じていないと批判されたが、研究チームが国内で25万人が死亡するとの試算を政府に示したことを受け、外出禁止令など厳しい措置を打ち出した。

政府内では首相のほか、ハンコック保健・社会福祉相も前月に感染したことが判明し、ホイッティ首席医務官(CMO)も新型コロナに似た症状が出ているため自宅隔離に入った。首相の婚約者で妊娠中のキャリー・サイモンズさんも症状があったが、4日に快方に向かっていると明らかにした。

ジョンソン氏は3日、ツイッターに投稿した動画で、発熱の症状が残っていると疲れた様子で述べていた。

首相の入院先や検査内容は公表されていない。専門家は、首相の年齢と症状が10日間続いていることを考慮すると、酸素飽和度や心電図の検査を行う可能性が高いと指摘した。

英保健省によると、国内の新型コロナ感染による死者は4日時点で前日から621人増え4934人となった。19万5524人が新型コロナ検査を受けており、4万7806人に陽性反応が出た。

*内容を追加しました。

ロイター
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