ニュース速報

ワールド

インドネシア新内閣、国防相に最大野党党首プラボウォ氏 財務相留任

2019年10月23日(水)14時29分

 10月23日、2期目に入ったインドネシアのジョコ大統領は、閣僚名簿を発表した。同国配車サービス大手ゴジェックの共同創業者で、前最高経営責任者(CEO)のナディム・マカリム氏(写真)を教育文化相に指名した。ジャカルタで21日撮影(2019年 ロイター/Willy Kurniawan)

[ジャカルタ 23日 ロイター] - 2期目に入ったインドネシアのジョコ大統領は23日、閣僚名簿を発表した。元世界銀行エコノミストのスリ・ムルヤニ財務相が留任したほか、最大野党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首を国防相に任命した。

新内閣では、ジョコ大統領が掲げる成長・投資促進のビジョンの推進役になるとみられるテクノクラート(専門技術官僚)がどれだけの割合を占めるかが注目されていたが、34人の閣僚のうち、約半数という結果となった。残る半数は政党に所属するか、つながりがある顔ぶれとなった。

ジョコ大統領は閣僚らに対し、「第一に、腐敗してはならない。クリーンな制度を創ろう。次に、閣僚個別の展望や使命はない、あるのは大統領の展望と使命だけだ」と語った。

ジョコ大統領とプラボウォ氏は4月の大統領選で熾烈な戦いを繰り広げた。元陸軍戦略予備軍司令官のプラボウォ氏は人権団体から人権侵害に関わっていたと批判されている。

同氏はまた、4月の大統領選の結果について、組織的な不正や権力乱用があったとして憲法裁判所に異議を申し立てた経緯があるため、ジョコ氏の支持者の多くがプラボウォ氏の入閣に反発する可能性がある。

ただ、プラボウォ氏の入閣によって、ジョコ氏はグリンドラ党の議員を含め、議会議席の約74%を占める議員を味方につけたことになる。

ジョコ大統領はまた、同国配車サービス大手ゴジェックの共同創業者で、前最高経営責任者(CEO)のナディム・マカリム氏を教育文化相に指名した。マカリム氏は21日、入閣するためCEOを辞任したと発表。同社の今後の運営について、アンドレ・ソエリスティオ社長と共同創業者ケビン・アルウィ氏が担うと説明した。

イタリアのサッカークラブ「インテル・ミラノ」の元会長で、大統領選でジョコ氏の選対本部長を務めた資産家で実業家のエリック・トヒル氏は国営企業相に起用された。

ジョコ氏の長年の側近であるルフット・パンジャイタン調整相(海事)は留任。同相は天然資源や国内投資も管轄する。

※内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中