ニュース速報

ワールド

焦点:米韓「為替条項」、日本は静観 米中間選挙で不透明感も

2018年03月29日(木)20時06分

 3月30日、米韓自由貿易協定で協議中の「為替条項」が、市場の一部で円高要因として意識されている。両国の通貨、ソウルで2015年撮影(2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[東京 29日 ロイター] - 米韓自由貿易協定(KORUSFTA)で協議中の「為替条項」が、市場の一部で円高要因として意識されている。通貨の競争的な切り下げを禁じる取り決めが、将来的に日本にも適用されるのではないかとの連想が働くためだ。

日本政府は当面静観する構えだが、11月に中間選挙が行われる米国の出方が読み切れない情勢は続く。

米政府によると、韓国との協定再交渉を巡っては、通貨安競争を阻止する付属文書が追加される見込み。もっとも、協定そのものには盛り込まれないため、貿易と為替政策は直接リンクせず「あくまで為替介入を行った際の透明性を高めるもの」(日本政府関係者)との解説が多い。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などでも、競争力強化を目的とした通貨安誘導はしないことが国際的に合意されており「米韓の取り決めは、これを逸脱しない」(財務省関係者)という「解釈」が、日本政府の理解と言える。

ただ、米国内では貿易赤字の原因を為替に求める声が伝統的に根強い。このため、日本政府内にも、貿易と為替を直結させようとする米国の考え方に対する警戒感はある。

ある財務省幹部が指摘する不確実要因は、米国の中間選挙だ。大統領選の中間年に行われる上下両院の選挙で、トランプ大統領に対する事実上の信任投票となる。

同幹部は「中間選挙が近づくにつれ、米国が日本の為替政策などをやり玉に挙げる可能性はあるだろう」と述べ、トランプ氏の国内アピールが為替市場に与え得る影響を懸念した。

(梅川崇 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、米国のイラン介入に備え厳戒態勢=関係筋

ワールド

北朝鮮の金与正氏、ドローン飛来で韓国に調査要求

ワールド

米ミネアポリスで数万人デモ、移民当局職員による女性

ワールド

米、来週にもベネズエラ制裁さらに解除=ベセント氏
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 10
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中