ニュース速報

ワールド

米国のユン北朝鮮担当特別代表が退任へ、「個人の決断」

2018年02月28日(水)09時11分

 2月27米国務省のナウアート報道官は声明を発表し、ジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が個人的な理由で退任すると発表した。写真は昨年12月にタイのバンコクを訪れる同特別代表(2018年 ロイター/Jorge Silva)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米国務省はジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が3月2日付で退任すると発表した。米朝関係を巡っては、北朝鮮が対話に前向きな姿勢を示唆し始めている。

国務省のナウアート報道官は声明でユン氏の退任を発表。ティラーソン国務長官が「ユン氏の決定をしぶしぶ受け入れた」と明らかにした。

韓国生まれのユン氏は2016年、オバマ政権下で北朝鮮担当特別代表に就任。米朝の直接対話を水面下で模索してきた。北朝鮮当局に拘束された米国人学生オットー・ワームビア氏を解放するために昨年6月に訪朝している。

ユン氏は米メディアに対し、退任は個人的な決断だとし、ティラーソン長官から慰留されたと説明。「このタイミングでの退任は完全に自分自身の決定だ」と述べた。CBSのインタビューには「北朝鮮は核・ミサイル実験をやめた」と語った。

ロイターのコメントの求めには応じていない。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米国と北朝鮮に対し、対話実現に向けて譲歩するよう要請。トランプ米大統領は、北朝鮮との交渉は適正な状況下のみで行うと述べている。

過去に米国防副次官補(東アジア担当)を務めたエイブラハム・デンマーク氏はツイッターで、ユン氏の退任が「重要な時期にある米政府にとって非常に大きな損失となる」との考えを示した。

一方、トランプ政権内からは、ユン氏の対話路線は大統領の方針と一致していなかったため、退任を惜しまれることはないとの声も上がる。

ナウアート報道官は会見で「誰かの退任で政策が変わることはない」と発言。ユン氏の仕事は「適任者が引き継げると確信している」と語った。

韓国外務省はユン氏の退任の意向を認識していたとし、「(韓国政府は)北朝鮮担当特別代表としてユン氏が果たした役割を高く評価する」とした。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアで対独戦勝記念式典、プーチン氏は連合国の貢献

ワールド

韓国地裁、保守系候補一本化に向けた党大会の開催認め

ビジネス

米労働市場は安定、最大雇用に近い=クーグラーFRB

ワールド

パナHDが今期中に1万人削減、純利益15%減 米関
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中