ニュース速報

ワールド

トランプ氏の「炎と怒り」発言は場当たり的=米政権当局者

2017年08月10日(木)06時18分

 8月9日、米政権当局者は、北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば「世界が見たことがないような炎と怒りに直面する」とのトランプ大統領の発言について、「計画された発言ではなく、自発的なものだった」との見解を示した。写真は前日撮影。(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米政権当局者は9日、トランプ大統領が前日、北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば「世界が見たことがないような炎と怒りに直面する」と述べたことについて、「計画された発言ではなく、自発的なものだった」との見解を示した。

同当局者は米政権で北朝鮮問題を担当。ロイターに対し匿名を条件に、前日のトランプ氏の発言は「計画されたものではなく、自発的なものだった」 とし、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の発言などに対応してレトリックをエスカレートさせることは検討されていなかった」と指摘。同発言の文言について事前に側近と打ち合わせていなかったことを明らかにした。

ただ「米国の忍耐は底をついている一方で、あらゆる手段を用いて同盟国を守る米国の決意には上限がないことを北朝鮮が理解することは重要だ」との見解を示した。

このほかに2人の当局者が匿名を条件に「トランプ大統領の『炎と怒り』の文言を使った警告は何の助けにもならず、北朝鮮の金委員長の挑発を招く恐れを高めた」と指摘。別の当局者は同発言は「完全にトランプ的だった」としている。

トランプ氏はこの日は米国が核兵器を使用する必要がないことを望んでいるとの考えを表明。前日の発言の緩和に努めようとしている可能性がある。

一方、ホワイトハウスは大統領首席補佐官を務めるジョン・ケリー氏国土安全保障長官のほか、国家経済会議(NEC)のメンバーは、トランプ氏の発言について「発言前から全般的なトーンについて認識していた」との見解を表明。

サラ・ハッカビー・サンダース報道官は大統領の休暇先のニュージャージー州で、「トランプ氏は自身の言葉で語ったが、メッセージのトーンと強さについては事前に協議されていた」と述べた。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中