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焦点:高度1000キロ超えた北朝鮮ミサイル、「発射成功」の見方強まる

2016年06月22日(水)17時17分

 6月22日、北朝鮮が同日発射した2発目の中距離弾道ミサイルについて、日本の防衛省や専門家は成功だったとの見方を強めている。写真は北京で2月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

[東京 22日 ロイター] - 北朝鮮が22日に発射した2発目の中距離弾道ミサイルについて、日本の防衛省や専門家は成功だったとの見方を強めている。同ミサイルは日本全土、さらにグアムまで届く能力があるとされ、防衛省は脅威のレベルが一段上がったと受け止めている。

北朝鮮東岸の元山付近から午前8時3分ごろに発射されたこの日2発目の弾道ミサイルは、防衛省と米軍によると、約400キロを飛んで日本海に落下した。北朝鮮と日本は約1000キロ離れており、飛行距離だけみれば日本への直接的な影響はない。

ところが、自衛隊のレーダーが捉えた情報を防衛省が分析した結果、ミサイルは1000キロを超える高度に達していた。地球の大気圏は一般的に高度約100キロまでとされる。そのはるか上空の宇宙空間へ打ち上げていたことになる。

中谷元防衛相は同日午後の会見で「中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が示された」とだけ述べ、発射の成否については明言を避けた。

しかし、防衛省関係者は「あれほど角度をつけずに打ち上げず、普通に発射していれば、われわれが見積もっている距離を飛んだ可能性がある」と話す。

北朝鮮が発射したのは中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられ、防衛省は飛行距離2500キロ─4000キロと推定している。日本全土、さらに米領グアムまで射程に収まる。

中谷防衛相は記者団に対し「日本に飛来するミサイルの種類が増える。日本の安全保障上、強く懸念する」と語った。

北朝鮮は今年に入り、ムスダンを4回発射し、いずれも失敗してきた。22日朝に発射した1発目のミサイルもムスダンとみられ、防衛省によると、北朝鮮東岸付近に分離して落下した。

今回、高度1000キロ超まで打ち上げた理由は明らかになっていない。北朝鮮が「衛星の打ち上げ」と称して発射する長距離ロケットは、高度500キロ程度。それに比べると、異常に高く飛んでいる。

天体物理学が専門のハーバード大学のジョナサン・マクドウェル博士は「日本の上空を通過するのを避けたのではないか」と推測する。「通常より高く発射して飛距離を短くした。発射は成功したようにみえる」と、同博士は述べた。

(久保信博 編集:田巻一彦)

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