〔アングル〕-ホルムズ海峡封鎖で中東産油国に明暗、イラクに打撃 サウジは恩恵
イラク・バスラの油田。6日撮影(2026年 ロイター/Mohammed Aty)
[ロンドン 6日 ロイター] - 米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を受けたホルムズ海峡の閉鎖とそれに伴う世界的な原油高騰によって、サウジアラビアなどの中東の一部産油国が利益を得る一方、イラクなど原油の代替輸送ルートを持たない国が数十億ドルの損失を被ったことが、ロイターの分析から分かった。
イランが世界の原油輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖する中、サウジほか、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)は、パイプラインや港湾を利用し、ホルムズ海峡を迂回(うかい)できる。
ロイターの3月輸出データの分析によると、石油輸出による歳入(名目、推定値)は、サウジが4.3%増、オマーンが26%増。イランも37%増加した。
UAEは、パイプライン経由での輸出と原油相場高騰が影響を軽減し、2.6%の減少にとどまった。
一方、国際市場への代替ルートを持たないイラク、クウェート、カタール産原油の輸出は停滞。イラクの歳入は76%減と、中東産油国の中で最大の落ち込みとなった。クウェートも73%減。
一部のアナリストは、イランでの紛争がある意味、イランの立場を強める結果になった可能性があると指摘。英シンクタンク、チャタムハウスのアソシエイトフェロー、ニール・クィリアム氏は「ホルムズ海峡が閉鎖されたことで、今後繰り返される可能性が出てきた。世界経済にとって大きな脅威となる」とし、後戻りできない状況になったという見方を示した。
国際エネルギー機関(IEA)は、今回の紛争による影響について「世界史上最大規模のエネルギー供給ショック」と表現。中東地域全体で1日当たり1200万バレル超の原油生産が停止し、約40のエネルギー施設が被害を受けたと指摘した。
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