ニュース速報
ビジネス

欧州、銀行規制簡素化の検討必要 過度な規制回避を=伊中銀総裁

2025年02月19日(水)19時58分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁(写真)は19日、欧州は過度な規制を避け、既存のルールを簡素化することも検討すべきだと述べた。2023年撮影。(2025 ロイター/Remo Casilli/File Photo)

[ミラノ 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は19日、欧州は過度な規制を避け、既存のルールを簡素化することも検討すべきだと述べた。

イタリア銀行協会(ABI)の運営委員会で講演した。

パネッタ氏は、米政府が銀行の規制緩和と暗号資産の普及を呼びかけており、今後は米国がまず実際にどのような措置を講じるのか注視することが重要だと指摘。

「米国は規制緩和を準備しており、過度なものになる可能性もある。ヨーロッパは規制を続けており、過度なものになる可能性がある」と発言。

たとえ米国が広範な規制緩和を進めた場合も、欧州は追随すべきではないが、既存の銀行規制の簡素化も検討すべきだとし、この問題について他の中銀関係者3人と共同で欧州委員会に書簡を送ったことを明らかにした。

「過度な規制は常に避けるべきだ。特に世界が異なる方向に進み始める場合はそう言える。(欧州の銀行が)競争上、不利になるためだ」とし「既存の規則を簡素化し、市場参加者が活動しやすい体制を整えるため、既存の規則を踏まえて、あらゆる選択肢を検討すべきだ」と述べた。

また、従来型の銀行に暗号資産(仮想通貨)取引所での活動を許可する米大統領令に懸念を表明。

「『許可する』というより『促している』ように聞こえる」とし「これまで暗号資産の世界で起きた全ての惨事に銀行が巻き込まれなかったのは、この二つの世界が、非常に賢明なことに、これまで分離されてきたからだという点を思い出してほしい」と述べた。

金融政策については、ユーロ圏経済の低迷は物価の下振れリスクになるとし、ECBは消費主導の景気回復を予想していたが、実現しなかったと述べた。

「ユーロ圏経済の低迷の兆しは予想以上に根強い」という。

物価の上振れリスクは主にエネルギー価格に起因するものであり、インフレは現時点で目標の2%に向かうと予想されていると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、為替市場の回復力強化を提案

ワールド

米、ガザ攻撃再燃「ハマスに全責任」と非難 国連安保

ワールド

トランプ氏、ボーイングと次世代戦闘機契約 「F47

ワールド

UAE、10年間で1.4兆ドルの対米投資で合意=ホ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 5
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 8
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 9
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 10
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 10
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中