ニュース速報

ビジネス

ECB、一段の大幅利上げ必要 不透明性踏まえ「段階的」=独連銀総裁

2023年02月08日(水)05時39分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は7日、インフレ率を2%に戻すために一段の大幅利上げが必要になると述べた。2021年12月撮影(2023年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は7日、インフレ率を2%に戻すために一段の大幅利上げが必要になると述べた。ただ、不透明感が強いことを踏まえ、段階的に進めなくてはならないとの考えを示した。

ナーゲル総裁は独紙ベルゼン・ツァイトゥングに対し「現況では一段の大幅利上げが必要だ。ただ、段階的に進めるのが正しいと考えている」と述べた。

その上で、ECBの現在の金利水準はインフレ率を大きく下回っているため「制約的」とは言えないと指摘。インフレ率が目標とする2%に戻ると確信したときのみ利上げを停止すべきとし、2023年末までに利下げが実施されるとの観測を否定した。

ECBの保有資産圧縮については、満期を迎えた債券の償還資金を完全に再投資しない計画は金融市場でうまく消化されるとし、実際には一段と速いスピードで実現する可能性もあると述べた。

ドイツ経済については、今年のインフレ率は6─7%で推移すると予想。従来は7%を超えると予想されていた。また、ロシアによるウクライナ侵攻に起因するエネルギー危機でドイツが最も大きな打撃を受けると見られてる中でも、ドイツ経済はハードランディング(強行着陸)しないとの見方を示した。

シュナーベルECB専務理事はこの日に行った講演で、金利が十分に上昇したと示す証拠はほとんどないと指摘。「信用市場の引き締まりが見られているが、インフレ率が中期的に2%の目標に戻ると期待できるほど、金融政策が機能しているかどうかはまだ分からない」と述べた。

ECBは2日の理事会で政策金利を0.5%ポイント引き上げ3%とした。3月にも0.5%ポイントの追加利上げの方針を示し、高インフレとの戦いを続ける道筋を再確認した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド、すでにロシア産石油輸入を半減=米ホワイトハ

ワールド

マレーシアGDP、第3四半期速報は前年比+5.2%

ビジネス

英、財政バッファー拡大にはトレードオフ必要=財務相

ワールド

英MI5長官、AIの脅威に警鐘 プロパガンダや選挙
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中