ニュース速報

ビジネス

相次ぐ供給ショックが中銀の課題に=ブレイナードFRB副議長

2022年11月29日(火)06時23分

ブレイナードFRB副議長は、パンデミックとウクライナでの戦争に伴う世界のサプライチェーンへの相次ぐショックはを指摘し、FRBはより厳格な金融政策で不安定なインフレを防ぐことが強いられるとの見解を示した。今年1月、ワシントンで撮影(2022年 ロイター//Elizabeth Frantz/File Photo)

[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード副議長は28日、パンデミック(世界的大流行)とウクライナでの戦争に伴う世界のサプライチェーン(供給網)への相次ぐショックは、より不安定なインフレの時代への「シフトの到来を告げる」可能性があり、FRBはより厳格な金融政策で不安定なインフレを防ぐことが強いられるとの見解を示した。

国際決済銀行(BIS)が昨年夏に実施した会議の非公開のパネルディスカッションでの発言がFRBによって28日に公表された。ブレイナード氏は会議の要約が公表されるにあたり、自身の発言を更新した。

ブレイナード氏は「パンデミックと戦争の経験は、供給ショックによる持続的な一連の悪影響に対応する際の金融政策の課題を浮き彫りにした」と指摘。「人口動態、脱グローバル化、気候変動などの課題により」、供給が遅れることが引き続き証明されれば「過去数十年と比較して、より不安定なインフレを特徴とする環境へのシフトの到来を告げる」とし、「供給ショックによる持続的な一連の悪影響は、潜在的な生産を持続的に圧迫するか、リスク管理のために金融引き締めが求められる形でインフレ期待を目標以上に押し上げるリスクがある」とした。

政策当局者はしばしば供給ショックを一時的と想定し、それらを「看過する」ことが推奨されており、このアプローチは米インフレ率の要因が「一時的」とみなされていた時にFRBが当初使用していたものだが、この2年間で直面した一連のショックは「潜在的な生産に対する持続的なショックではなく、一時的なショックを構成するものに関する線引きを曖昧にした」と言及。「個々の供給ショックが時間とともに弱まり、それ自体では一時的なショックのように振る舞うとしても、潜在的な生産を長期にわたって抑制する累積的な効果を持つ供給ショックの悪影響が長引けば、需給バランスの回復に向け金融政策の引き締めが必要になる可能性が高い」とした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界の石油市場、26年は大幅な供給過剰に IEA予

ワールド

米中間選挙、民主党員の方が投票に意欲的=ロイター/

ビジネス

ユーロ圏9月の鉱工業生産、予想下回る伸び 独伊は堅

ビジネス

ECB、地政学リスク過小評価に警鐘 銀行規制緩和に
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中