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インフレ悪化やFRB信頼喪失懸念が大幅利上げ促す=FOMC議事要旨

2022年07月07日(木)06時05分

米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表した6月14─15日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、インフレ状況の悪化やFRBの対応能力への信頼喪失を懸念し、大幅利上げに踏み切ったことが明らかになった。2019年3月撮影(2022年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表した6月14─15日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、インフレ状況の悪化やFRBの対応能力への信頼喪失を懸念し、大幅利上げに踏み切ったことが明らかになった。また、物価抑制の意向も改めて強く表明した。

この会合でFRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.50─1.75%とした。一度に75bpの大幅利上げを決定するのは1994年以来だった。

参加者が、今月下旬に開かれるFOMCで50bpまたは75bpの引き上げが適切になる可能性が高いと考えていることも示した。

議事要旨によると、会合前の数日間に発表されたデータに基づき、「参加者は短期的なインフレ見通しが5月会合時よりも悪化したことに同意した」ことから、75bpの利上げと「制限的」な金融政策への移行が正当化されることになった。

食料品やガソリン価格の上昇で家計が圧迫される一方、これまでのFRBの措置でインフレ急伸に歯止めがかかりつつあるという証拠は見られず、「多くの参加者は、(FOMCの)必要に応じて政策調整を行うという決意に国民が疑問を持ち始めた場合、高インフレが定着するという大きなリスクがあると判断した」という。

このFOMCでは「タカ派」と「ハト派」の間の階層を消し去るような意見の一致を見せ、FRBがインフレ率を目標の2%に引き下げるために必要なだけ金利を引き上げる意志があり、その用意があることを国民に伝える必要があると指摘した。

また、「多くの参加者」が「長期的なインフレ上昇観測が出始めている可能性がある」と懸念していたことも分かった。

議事要旨では景気後退のリスクには触れておらず、むしろ米国の国内総生産(GDP)が「今四半期は拡大している」ことを示すデータがあり、雇用市場も依然として引き締まっているとした。

ただ、リスクは下向きであり、特にFRBの政策が予想以上に大きな影響を与える可能性があることも認めた。

議事要旨は「参加者は、経済の見通しによって制限的な政策スタンスへの移行が正当化されることに同意し、インフレが高止まりする場合は、さらに制限的なスタンスが適切である可能性を認識した」としている。

議事要旨は金融政策の方向性に関する投資家の見方をおおむね裏付ける内容で、要旨発表後の金融市場はほぼ横ばいだった。

投資家は現在、FRBが金融政策の急速な転換の一環として、7月26─27日のFOMCでさらに75bpの利上げを決めると予想している。

FRB当局者は1年弱前まで、雇用市場に「さらに実質的な進展」がありインフレ率がFRBの目標である2%を「しばらくの間」上回る「適度な軌道に乗る」までは、ゼロ近辺のFF金利と毎月1200億ドルの債券購入によって金融緩和を続けると明言していた。

5月の経済指標で失業者1人当たり2件近くの求人があることが示された中、当局者は現在の労働市場は持続不可能なほど引き締まったと

見なしている。インフレ率は約40年ぶりの高水準にあり、政策立案者は国民のインフレ期待を抑えるため経済全般にわたる景気後退も容認する意向を示している。

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