ニュース速報

ビジネス

インフレ抑制が「最優先」、景気後退は招かず=SF連銀総裁

2022年06月25日(土)06時54分

米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は24日、インフレ抑制が米連邦準備理事会(FRB)の「現在の最優先課題」だとし、そのための利上げが景気後退の引き金になる可能性は低いと述べた。 (2022年 ロイター/Chris Wattie)

[24日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は24日、インフレ抑制が米連邦準備理事会(FRB)の「現在の最優先課題」だとし、そのための利上げが景気後退の引き金になる可能性は低いと述べた。

同総裁は大学で講演し「年内の中立金利到達に向けて政策を迅速に進める。FRBはできるだけ早く金利を引き上げたいと考えている。利上げを前倒しで実施することは、最終的に利上げ幅を減らすことを意味する」と述べた。

金利をどれだけ引き上げる必要があるかは、FRBがコントロールできない要因に大きく左右されるとも指摘。「供給不足が続きインフレが高止まりするようなら、もっと手を打つ必要があるだろう。状況が改善され供給が回復すればもっと少なくてもいい」とした。

いずれにせよ景気は減速し、失業率は現在の3.6%から上昇する可能性が高いとしながらも、1980年代のような痛みを伴う不況にはならず、金利上昇と成長鈍化に適応するためのコストは今回はよりスムーズになるとした。

その理由の一つは、インフレ期待が比較的安定していること、もう一つは、金利上昇により、実際に生産や雇用が減少し始める前に、モノと労働力に対する過剰需要を減らすことによってインフレが鎮静化するからだという。

「国内総生産(GDP)成長率が長期トレンドを下回り、失業率が現在の非常に低い水準から上昇はするものの、調整のコストは緩やかなものになると考えている。これは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に見舞われた緩和的経済から、引き締まった政策が完全雇用と物価安定の両方を支える経済への、比較的スムーズな移行だと考える」とした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

連合の春闘賃上げ率、4次集計は5.20% 高水準を

ビジネス

金利上昇の影響を主体別に分析、金融機関は「耐性が改

ビジネス

中国人民銀行、与信の「一方的な」拡大けん制 量より

ビジネス

バリューアクト、セブン&アイ取締役候補者に賛成票投
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中