ニュース速報

ビジネス

ウクライナ危機、世界経済に「深刻な影響」=IMF

2022年03月06日(日)13時38分

 国際通貨基金(IMF)は5日、ロシアのウクライナ侵攻、それを受けたロシアへの制裁は世界経済に深刻な影響を与えることになると指摘した。写真はワシントンの本部ビルのロゴ。2018年9月撮影(2022年 ロイター//Yuri Gripas)

[ワシントン 5日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は5日、ロシアのウクライナ侵攻、それを受けたロシアへの制裁は世界経済に深刻な影響を与えることになると指摘した。またウクライナから要請があった14億ドルの緊急融資を、来週にも理事会に諮る見通しを示した。

IMFは声明で、ウクライナでの戦闘はすでにエネルギーと穀物価格を押し上げ、100万人以上が難民となって近隣諸国に流れ、ロシアに対する前例のない制裁につながったと指摘、「状況は依然として非常に流動的で、見通しは極めて不確実だが、すでに経済への影響は非常に深刻だ」と述べた。

「現在続いている戦争とそれに伴う制裁は、世界経済にも深刻な影響を与える」と警告し、すでに物価上昇圧力が高い状況で起きた危機がインフレと経済活動に悪影響を与えていると指摘した。

物価のショックが世界各国で起こるとみられ、当局は食料と燃料が支出に占める割合が高い貧困世帯に支援を行うべきだと主張、戦争が激化すれば経済的打撃はさらに大きくなると指摘した。

米欧など西側諸国の大規模な対ロシア制裁は「世界経済や金融市場に大きな影響を与え、他国にも多大な影響が広がる」とした。

<ウクライナ、モルドバへの影響>

ウクライナでは人的被害だけでなく、インフラが破壊されるなど、経済的打撃も深刻だ。

IMFは「現段階で資金ニーズを正確に評価することは非常に難しいが、ウクライナが多額の復旧・復興費用に直面することはすでに明らか」と述べた。

またモルドバなどウクライナやロシアと経済的関係が強い国は物資不足や供給途絶の「特別なリスク」にさらされていると指摘した。

モルドバは、ウクライナ危機を受け、IMFに既存の5億5800万ドルの融資プログラムの増強を要請。IMFと同国向け融資の選択肢を協議している。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

DBSグループ第1四半期は2%減益、不確実性増大で

ワールド

スロバキアとハンガリー、EUのロシア産ガス輸入停止

ビジネス

配車グラブ、第2四半期にインドネシア同業GoTo買

ビジネス

米ウーバー、第1四半期売上高が予想に届かず 見通し
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    「関税帝」トランプが仕掛けた関税戦争の勝者は中国…
  • 8
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 9
    首都は3日で陥落できるはずが...「プーチンの大誤算…
  • 10
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中